2025/06/05 08:49
しっかりか、米長期金利の低下が支え 
◆5日の香港マーケットは、米長期金利の低下を手がかりにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境には好悪材料が入り混じる。足元の経済指標悪化を受け、米景気懸念が強まっていることはマイナス。5月のADP全米雇用リポートでは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が予想を大幅に下回り、2年ぶりの低い伸びだった。また、米サプライマネジメント協会(ISM)が公表した5月の非製造業景況感指数(PMI)は49.9となり、4月の51.6から低下。景況判断の境目となる50を割り込み、昨年6月以来の低水準に落ち込んでいる。一方、9月利下げ観測が強まったことはプラス。労働市場や景況感の悪化を受け、当局は前倒しで金融緩和に踏み切るとの見方だ。4日の米債券市場では米10年債利回りが急低下(債券価格は3日ぶりに反発)し、5月上旬以来の低い水準を付けている。
同日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.2%安と5日ぶりに反落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と3日続伸するなど方向感を欠く展開だった。米ホワイトハウスのレビット報道官は3日、トランプ米大統領が中国の習近平・国家主席と近く電話会談すると改めて表明。また、トランプ氏は自身のSNSで「習氏のことはこれまでも、これからも好きだが、彼はタフでディール(取引)を結ぶことは難しい」と投稿した。会談の結果を見極めたいとするムードも漂っている。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.0%高と3日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が6.2%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が3.9%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が2.8%高と上げが目立っている。
商品相場は、米ガソリン在庫の増加を受け、WTI原油先物が0.9%安と3日ぶりに反落。NYY金先物は0.7%高と反発している。
一方、内部環境に新規の取引材料は乏しい。中国で足元の景況感が悪化する中、当局が景気対策を強めるとの見方が広がっているものの、具体的な動きは見られない状況だ。来週にかけ、重要経済指標の発表が集中することも気がかり。きょう5日は民間集計による5月の財新・中国サービス業PMI、週明け9日は5月の物価統計や貿易統計などが発表される。
こうした中、本日の香港マーケットは全体としてしっかりか。米長期金利の低下が材料視されそうだ。ただ、米中協議の進ちょくや中国経済指標を見極めたいとして、模様眺めのスタンスが上値を重くする可能性もある。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境には好悪材料が入り混じる。足元の経済指標悪化を受け、米景気懸念が強まっていることはマイナス。5月のADP全米雇用リポートでは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が予想を大幅に下回り、2年ぶりの低い伸びだった。また、米サプライマネジメント協会(ISM)が公表した5月の非製造業景況感指数(PMI)は49.9となり、4月の51.6から低下。景況判断の境目となる50を割り込み、昨年6月以来の低水準に落ち込んでいる。一方、9月利下げ観測が強まったことはプラス。労働市場や景況感の悪化を受け、当局は前倒しで金融緩和に踏み切るとの見方だ。4日の米債券市場では米10年債利回りが急低下(債券価格は3日ぶりに反発)し、5月上旬以来の低い水準を付けている。
同日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.2%安と5日ぶりに反落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と3日続伸するなど方向感を欠く展開だった。米ホワイトハウスのレビット報道官は3日、トランプ米大統領が中国の習近平・国家主席と近く電話会談すると改めて表明。また、トランプ氏は自身のSNSで「習氏のことはこれまでも、これからも好きだが、彼はタフでディール(取引)を結ぶことは難しい」と投稿した。会談の結果を見極めたいとするムードも漂っている。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.0%高と3日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が6.2%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が3.9%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が2.8%高と上げが目立っている。
商品相場は、米ガソリン在庫の増加を受け、WTI原油先物が0.9%安と3日ぶりに反落。NYY金先物は0.7%高と反発している。
一方、内部環境に新規の取引材料は乏しい。中国で足元の景況感が悪化する中、当局が景気対策を強めるとの見方が広がっているものの、具体的な動きは見られない状況だ。来週にかけ、重要経済指標の発表が集中することも気がかり。きょう5日は民間集計による5月の財新・中国サービス業PMI、週明け9日は5月の物価統計や貿易統計などが発表される。
こうした中、本日の香港マーケットは全体としてしっかりか。米長期金利の低下が材料視されそうだ。ただ、米中協議の進ちょくや中国経済指標を見極めたいとして、模様眺めのスタンスが上値を重くする可能性もある。
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