2025/09/12 08:58 NEW!!
買い先行か、米株は主要3指数が最高値更新 
◆12日の香港マーケットは、米株高値更新の流れを継ぎ買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は良好。米金利低下と米株高値更新がポジティブ材料だ。物価や雇用の指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)の利下げサイクル開始が意識される中、11日の米債券市場では長期金利の指標となる10年債利回りが4.02%に低下。一時3.99%と4月上旬以来の低い水準を付けた。米金融政策に与える影響が大きい8月の消費者物価指数(CPI)は市場予想の範囲内にとどまり、新規失業保険申請件数(週間)は大幅に増加し、およそ4年ぶりの高水準となっている。FRBは来週(17〜18日)の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ再開を決定し、年内3回の会合でも利下げするとの見方が優勢となった。
11日の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.4%高と反発し、9日に付けた史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7%高と4日続伸し、連日で最高値を更新した。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も0.8%上昇し、連日で最高値を切り上げている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが7.6%高と急伸。人工知能(AI)向け製品の需要増が収益を拡大させるとして、アナリストが目標株価を引き上げている。ハイテク株全般に買いが波及した。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.9%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が14.9%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が8.0%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が5.6%高と上げが目立った。アリババは起債で資金調達し、データセンター(DC)の拡張などでクラウド事業の需要拡大に対応すると発表したことが材料視されている。
内部環境もそれほど悪くない。中国のデフレ懸念はマイナス材料だが、当局は「内巻」(過当競争)是正や消費刺激など対策を強めている。また、8日に始まった全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議の決定内容については、最終日のきょう12日以降に国営メディアが詳細を報じる見通し。主要政策の方針が注目される。
一方、来週15日にかけ、中国主要統計が集中して公表される予定。8月の金融統計や小売売上高、鉱工業生産、1〜8月の不動産投資などだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。米利下げ期待で米長期金利が低下したことや、AI産業の拡大期待などで米株が高値更新したことを好感しよう。また、中国当局がこのところ、AI技術を軸とした産業支援、「AI+」政策に注力していることも引き続き材料視されそうだ。ただ、中国指標の内容を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因となる可能性もあるので注意したい。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は良好。米金利低下と米株高値更新がポジティブ材料だ。物価や雇用の指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)の利下げサイクル開始が意識される中、11日の米債券市場では長期金利の指標となる10年債利回りが4.02%に低下。一時3.99%と4月上旬以来の低い水準を付けた。米金融政策に与える影響が大きい8月の消費者物価指数(CPI)は市場予想の範囲内にとどまり、新規失業保険申請件数(週間)は大幅に増加し、およそ4年ぶりの高水準となっている。FRBは来週(17〜18日)の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ再開を決定し、年内3回の会合でも利下げするとの見方が優勢となった。
11日の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.4%高と反発し、9日に付けた史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7%高と4日続伸し、連日で最高値を更新した。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も0.8%上昇し、連日で最高値を切り上げている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが7.6%高と急伸。人工知能(AI)向け製品の需要増が収益を拡大させるとして、アナリストが目標株価を引き上げている。ハイテク株全般に買いが波及した。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.9%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が14.9%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が8.0%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が5.6%高と上げが目立った。アリババは起債で資金調達し、データセンター(DC)の拡張などでクラウド事業の需要拡大に対応すると発表したことが材料視されている。
内部環境もそれほど悪くない。中国のデフレ懸念はマイナス材料だが、当局は「内巻」(過当競争)是正や消費刺激など対策を強めている。また、8日に始まった全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議の決定内容については、最終日のきょう12日以降に国営メディアが詳細を報じる見通し。主要政策の方針が注目される。
一方、来週15日にかけ、中国主要統計が集中して公表される予定。8月の金融統計や小売売上高、鉱工業生産、1〜8月の不動産投資などだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。米利下げ期待で米長期金利が低下したことや、AI産業の拡大期待などで米株が高値更新したことを好感しよう。また、中国当局がこのところ、AI技術を軸とした産業支援、「AI+」政策に注力していることも引き続き材料視されそうだ。ただ、中国指標の内容を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因となる可能性もあるので注意したい。
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