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2025/10/31 09:04 NEW!!

神経質な値動きか、中国指標を注視 無料記事

◆31日の香港マーケットは、中国指標をにらみながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。昨夜の米株は人工知能(AI)関連の過剰投資が意識され売られたものの、ハイテク大手の好決算は続き、時間外取引の米株先物は上昇している。また、米中首脳会談で貿易摩擦が緩和に向かったこともプラス。トランプ米大統領と中国の習近平・国家主席は30日、韓国で6年ぶりとなる対面会談に臨み、貿易問題について話し合った。中国が合成麻薬フェンタニルの違法取引を強化する代わりに、米国は関連の対中関税を20%から10%に引き下げるほか、100%の対中関税も延期する。中国はレアアース(希土類)の新たな輸出規制を延期することなどが決定された。トランプ氏は首脳会談について、「10点満点で12点だ」と成果を強調している。
 30日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.2%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.6%安と6日ぶりに反落した。マイクロソフトの7〜9月期決算は売上が予想を上回ったものの、設備投資が大幅に増加。巨額のAI投資が収益を圧迫すると懸念され、株価は2.9%下げた。ほかダウ平均の構成銘柄ではないが、メタプラットフォームズ(フェイスブック)の7〜9月期決算も上振れたが、AIインフラ投資が拡大すると見込まれたことを嫌気し11.3%安と急落している。ただ、引け後に公表された決算が好調だったアマゾンやアップルが上昇し、時間外取引の米株はプラスに転じた。
 30日の中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.9%安と3日続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が5.7%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が5.1%安、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が4.5%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が3.3%安と下げが目立った。
 一方、内部的には中国指標の発表が気がかり。中国では本日朝方(日本時間10時半ごろ)、国家統計局などによる10月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される予定。最新のコンセンサス予想では、製造業PMIが49.6(9月は49.8)、非製造業PMIが50.1(9月は50.0)で着地する見通しだ。それに続き週明け11月3日、民間集計のRatingDog中国製造業業PMIが発表される。9月実績を下回るとの予想だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米中首脳会談の好材料は出尽くしたとの見方もあり、目先は中国経済動向に移ったといえる。相場は中国指標の結果に左右されそうだ。もっとも、米中対立の過度な警戒感が薄れたことは事実。中国経済対策の期待感もあり、下値を叩くような動きにはならないだろう。


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