2025/10/15 09:11 NEW!!
神経質な値動きか、米中対立の激化懸念が続く 
◆15日の香港マーケットは、米中対立の激化懸念で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は悪材料と好材料が入り混じる。米国が対中圧力を強める中、両国の対立激化が懸念されている事はマイナスだ。米国が中国に関連する船舶を対象に14日から港湾使用料の追加徴収を始めたことに対抗し、中国も同日から米国船籍に対する追加の港湾使用料を課している。また、中国当局は14日、米国が中国海運・造船業界に不当な調査を行ったことに協力したとして、韓国造船大手の米子会社に中国との取引を禁じる制裁を発表した。米中の対立が第3国に飛び火した格好となる。そのほかトランプ米大統領は14日午後、自身のSNSに、中国との食用油取引を停止する可能性があると投稿。中国が米国産大豆の輸入を止めていることの報復措置とみられる。トランプ氏はこれより先、「米中の貿易対立は心配していない」「中国の景気悪化は望んでいない」などと投稿したが、依然として不透明感が漂う状況だ。
一方、米金融緩和の期待が高まっている。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日の講演で、「労働市場の見通し悪化は続いている」と指摘。数カ月以内にFRBがバランスシートの縮小を停止する可能性に言及したほか、10月の追加利下げも示唆した。また、ボウマンFRB副議長は14日、年内にあと2回開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で、それぞれ利下げが決定されるとの見方を改めて示している。
14日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前日比0.4%高と続伸する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8%安と反落している。量的引き締め(QT)の終了期待が支えとなったが、米中対立の激化懸念が重しとなった。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が2.0%安と反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が5.7%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が5.3%安、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が4.6%安と下げが目立った。
一方、内部的には中国の物価指標が気がかり。本日朝方(日本時間10時半ごろ)に公表される9月の物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)が前年同月比でマイナス0.2%(前月はマイナス0.4%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.3%(前月はマイナス2.9%)で着地すると予想されている。デフレ脱却の兆しがみられるかが焦点だ。中国ではこのほか、18日までに9月の金融統計、週明け20日に7〜9月期のGDP、9月の小売売上高などが発表される予定。また、実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が20日に公表される。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。このところの下落基調を受けた自律反発狙いの買いが入る可能性もあるが、米中対立への警戒感が続いている。中国の物価動向に左右される可能性もあろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は悪材料と好材料が入り混じる。米国が対中圧力を強める中、両国の対立激化が懸念されている事はマイナスだ。米国が中国に関連する船舶を対象に14日から港湾使用料の追加徴収を始めたことに対抗し、中国も同日から米国船籍に対する追加の港湾使用料を課している。また、中国当局は14日、米国が中国海運・造船業界に不当な調査を行ったことに協力したとして、韓国造船大手の米子会社に中国との取引を禁じる制裁を発表した。米中の対立が第3国に飛び火した格好となる。そのほかトランプ米大統領は14日午後、自身のSNSに、中国との食用油取引を停止する可能性があると投稿。中国が米国産大豆の輸入を止めていることの報復措置とみられる。トランプ氏はこれより先、「米中の貿易対立は心配していない」「中国の景気悪化は望んでいない」などと投稿したが、依然として不透明感が漂う状況だ。
一方、米金融緩和の期待が高まっている。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日の講演で、「労働市場の見通し悪化は続いている」と指摘。数カ月以内にFRBがバランスシートの縮小を停止する可能性に言及したほか、10月の追加利下げも示唆した。また、ボウマンFRB副議長は14日、年内にあと2回開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で、それぞれ利下げが決定されるとの見方を改めて示している。
14日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前日比0.4%高と続伸する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8%安と反落している。量的引き締め(QT)の終了期待が支えとなったが、米中対立の激化懸念が重しとなった。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が2.0%安と反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が5.7%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が5.3%安、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が4.6%安と下げが目立った。
一方、内部的には中国の物価指標が気がかり。本日朝方(日本時間10時半ごろ)に公表される9月の物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)が前年同月比でマイナス0.2%(前月はマイナス0.4%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.3%(前月はマイナス2.9%)で着地すると予想されている。デフレ脱却の兆しがみられるかが焦点だ。中国ではこのほか、18日までに9月の金融統計、週明け20日に7〜9月期のGDP、9月の小売売上高などが発表される予定。また、実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が20日に公表される。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。このところの下落基調を受けた自律反発狙いの買いが入る可能性もあるが、米中対立への警戒感が続いている。中国の物価動向に左右される可能性もあろう。
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