2025/09/04 08:48
神経質な値動きか、中国の政策動向が気がかり 
◆4日の香港マーケットは、中国の政策動向をにらみながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は中立。米長期金利の低下がプラス材料となる一方、米景気懸念が高まったことはマイナスだ。3日に発表された7月の雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が6月実績と予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が利下げで労働市場を支えるとの見方が再浮上。ウォラーFRB理事は同日、(雇用を守るため)金融当局は今月から利下げを再開し、今後、複数回の利下げが必要だとの考えを示した。米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りが低下に転じている(債券価格は3日ぶり反落)。ただ、その半面、労働市場の軟化は米経済を支える消費活動に影響を与えるとの懸念も強まった。
3日の米株市場は全体として底堅く推移。主要指標のNYダウは3日続落したが下落率は前日比0.05%安にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高と3日ぶりに反発した。米景気懸念は重しとなったが、9月利下げが意識され相場を下支えしている。個別では、アルファベット(グーグルの持ち株会社)が9.1%高。米連邦地方裁判所が2日、グーグルの反トラスト法(独占禁止法)違反の是正措置を発表したが、司法省が求めていたウェブ閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」の売却など事業分割案を退けたことが買い安心感につながった。
中国銘柄は弱含み。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.2%安と3日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.0%安、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が2.6%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.5%安と下げが目立った。
一方、内部環境に新規の取引材料は乏しい。中国の重要な政治イベント(大規模軍事パレード)が3日に終了し、焦点は来週8〜12日に北京で開催される全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議に移る。経済政策に対する期待はあるが、内容を見極めたいとするスタンスも強まる状況だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米長期金利の低下や米ハイテク株高を好感した買いが先行しそうだが、中国本土に目新しい材料が乏しく、来週の会議を前に様子見ムードが漂う可能性もあろう。また、来週は8日に8月の貿易統計、10日に物価統計が公表されることも気がかり材料だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は中立。米長期金利の低下がプラス材料となる一方、米景気懸念が高まったことはマイナスだ。3日に発表された7月の雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が6月実績と予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が利下げで労働市場を支えるとの見方が再浮上。ウォラーFRB理事は同日、(雇用を守るため)金融当局は今月から利下げを再開し、今後、複数回の利下げが必要だとの考えを示した。米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りが低下に転じている(債券価格は3日ぶり反落)。ただ、その半面、労働市場の軟化は米経済を支える消費活動に影響を与えるとの懸念も強まった。
3日の米株市場は全体として底堅く推移。主要指標のNYダウは3日続落したが下落率は前日比0.05%安にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高と3日ぶりに反発した。米景気懸念は重しとなったが、9月利下げが意識され相場を下支えしている。個別では、アルファベット(グーグルの持ち株会社)が9.1%高。米連邦地方裁判所が2日、グーグルの反トラスト法(独占禁止法)違反の是正措置を発表したが、司法省が求めていたウェブ閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」の売却など事業分割案を退けたことが買い安心感につながった。
中国銘柄は弱含み。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.2%安と3日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.0%安、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が2.6%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.5%安と下げが目立った。
一方、内部環境に新規の取引材料は乏しい。中国の重要な政治イベント(大規模軍事パレード)が3日に終了し、焦点は来週8〜12日に北京で開催される全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議に移る。経済政策に対する期待はあるが、内容を見極めたいとするスタンスも強まる状況だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米長期金利の低下や米ハイテク株高を好感した買いが先行しそうだが、中国本土に目新しい材料が乏しく、来週の会議を前に様子見ムードが漂う可能性もあろう。また、来週は8日に8月の貿易統計、10日に物価統計が公表されることも気がかり材料だ。
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