2025/10/20 08:50 NEW!!
神経質な値動きか、中国GDPを注視 
◆週明け20日の香港マーケットは、中国指標の内容見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はそれほど悪くない。米中は首脳会談に向け通商上の規制で応酬し、駆け引きが続いているが、関係改善に向けた動きも見え始めている。トランプ米大統領は17日、米メディアのインタビューで、中国に対する100%の追加関税は持続可能ではないと明言し、10月末に韓国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)にあわせた米中首脳会談を行うと改めて表明した。また、ベッセント米財務長官は17日、近くマレーシアで中国の何立峰・副首相と会談する見通しを発表。米中通商対立の激化に歯止めをかけ、米中首脳会談に向けた地ならしを目指すとみられる。一方、中国の当局者は国際通貨基金(IMF)の年次総会で米首都ワシントンを訪問中に、米国を始め世界的な反発を受けたレアアース(希土類)輸出規制の厳格化について、世界の貿易フローを損なうものではないと各国・地域の代表に向けて懸念払しょくに務めた。
17日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.5%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.5%高と反発した。米中の通商交渉が継続するとの観測に加え、前営業日に売り材料視された米地銀2行の信用不安を巡る警戒感もやや後退したことが支えとなっている。一部地銀が公表した7〜9月期決算が予想を上回り、信用不安が広がるとの懸念が薄らいだ。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が0.1%安と続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が4.4%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.7%安、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が1.3%安と下げが目立った。
一方、内部的には中国指標が気がかり。きょう20日の取引時間中(日本時間11時ごろ)に、7〜9月期のGDP、9月の小売売上高や鉱工業生産などが発表される。注目のGDP成長率は前四半期を下回り、小売売上高や鉱工業生産なども前月から鈍化する見通しだ。ほか、取引時間前(日本時間10時ごろ)に公表される実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、5カ月連続で据え置かれると予想されている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国指標の内容によっては、相場が乱高下する可能性もある。ただ今週は20から23日にかけ、中国共産党が第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)を開き、来年から始まる第15次5カ年計画(2026〜30年)について議論するため、政策期待の高まりが相場の下支え要因となろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はそれほど悪くない。米中は首脳会談に向け通商上の規制で応酬し、駆け引きが続いているが、関係改善に向けた動きも見え始めている。トランプ米大統領は17日、米メディアのインタビューで、中国に対する100%の追加関税は持続可能ではないと明言し、10月末に韓国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)にあわせた米中首脳会談を行うと改めて表明した。また、ベッセント米財務長官は17日、近くマレーシアで中国の何立峰・副首相と会談する見通しを発表。米中通商対立の激化に歯止めをかけ、米中首脳会談に向けた地ならしを目指すとみられる。一方、中国の当局者は国際通貨基金(IMF)の年次総会で米首都ワシントンを訪問中に、米国を始め世界的な反発を受けたレアアース(希土類)輸出規制の厳格化について、世界の貿易フローを損なうものではないと各国・地域の代表に向けて懸念払しょくに務めた。
17日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.5%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.5%高と反発した。米中の通商交渉が継続するとの観測に加え、前営業日に売り材料視された米地銀2行の信用不安を巡る警戒感もやや後退したことが支えとなっている。一部地銀が公表した7〜9月期決算が予想を上回り、信用不安が広がるとの懸念が薄らいだ。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が0.1%安と続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が4.4%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.7%安、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が1.3%安と下げが目立った。
一方、内部的には中国指標が気がかり。きょう20日の取引時間中(日本時間11時ごろ)に、7〜9月期のGDP、9月の小売売上高や鉱工業生産などが発表される。注目のGDP成長率は前四半期を下回り、小売売上高や鉱工業生産なども前月から鈍化する見通しだ。ほか、取引時間前(日本時間10時ごろ)に公表される実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、5カ月連続で据え置かれると予想されている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国指標の内容によっては、相場が乱高下する可能性もある。ただ今週は20から23日にかけ、中国共産党が第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)を開き、来年から始まる第15次5カ年計画(2026〜30年)について議論するため、政策期待の高まりが相場の下支え要因となろう。
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