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2025/10/30 08:58 NEW!!

神経質な値動きか、米中首脳会談を注視 無料記事

◆休場明け30日の香港マーケットは、米中首脳会談をにらみながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には好材料と悪材料が交錯している。米中貿易摩擦の改善期待が高まっていることはプラスだ。トランプ米大統領と中国の習近平・国家主席は韓国できょう30日午前11時(日本時間同じ)、直接会談に臨む。トランプ氏は29日、合成麻薬フェンタニルの米流入対策で中国に課していた20%の追加関税について、引き下げる見通しを明らかにした。そのほかこれまでの報道によると、中国製品に対する100%関税は撤回され、中国のレアアース(希土類)輸出規制厳格化は先送りされる。
 半面、米金融政策に不透明感が漂っていることはマイナス。米連邦準備理事会(FRB)は29日(日本時間30日未明)まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り2会合連続で0.25%の利下げを決定したが、パウエルFRB議長はその後の会見で次回会合(12月)での利下げに慎重なスタンスを示した。米債券市場では長期金利の指標となる米10年債利回りが前日の3.97%から4.07%に急上昇している(債券価格は反落)。
 30日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前日比0.2%安と5日ぶりに反落した。米利下げ継続の期待感が後退し、利益確定売りにつながっている。一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5%高と5日続伸。4日連続で史上最高値を更新した。半導体大手エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が人工知能(AI)向け先端半導体などの売上に強気見通しを示し、同社株は3.0%高と上昇。時価総額は世界で初めて5兆米ドル台に乗せた。ハイテク株全般に買いが波及している。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.03%安と小幅に続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が1.6%安、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が1.3%安、微博(ウェイボー:WB/NASDAQ、9898/HK)が1.1%安と下げが目立った。
 一方、内部環境に新規の取引材料は乏しい。中国経済対策の期待感は続いているが、2026年の経済方針を決定する中央政治局会議が今月末に予定されているため、内容を見極めたいとするムードもある。また、香港では主要な中国企業の四半期決算報告が佳境入り。きょう30日は馬鞍山鋼鉄(323/HK)や中遠海運港口(1199/HK)、中国国際航空(753/HK)、比亜迪(1211/HK)、比亜迪電子(国際)(285/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中国建設銀行(939/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国中鉄(390/HK)、万科企業(2202/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、中遠海運発展(2866/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、イ柴動力(2338/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、交通銀行(3328/HK)、中国海洋石油(883/HK)などが業績発表する。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米中貿易摩擦の緩和期待は高まっているが、首脳会談の結果によっては相場が乱高下する恐れもある。また、米利下げを受け、金融政策で米国に追随する香港も政策金利を引き下げたが、今後の金利動向は不透明だ。




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