2025/09/30 08:57
買い先行か、中国の政策期待が追い風に 
◆30日の香港マーケットは、中国の政策期待で買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境には悪材料と好材料がある。まず、米政府機関の一時閉鎖が現実味を帯びていることはマイナスだ。10月1日の新会計年度スタートを前に、与野党は未だにつなぎ予算案で合意できていない。合意できなかった場合、一部の政府機関は閉鎖を余儀なくされる。米労働省は29日、予算切れとなった場合、10月3日に予定する雇用統計など経済指標の発表を停止すると説明した。バンス米副大統領は29日、米国は連邦政府機関の閉鎖に向かっているとの認識を示している。一方、米利下げサイクル再開の期待が高まっていることはプラスだ。足もとのインフレ指標が想定内におさまる中、市場関係者は米連邦準備理事会(FRB)が年内に追加利下げするとの見方を崩していない。
29日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.1%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%高とそろって続伸した。米政府機関が一時閉鎖される可能性が高まったことは重しとなったが、米利下げ期待が相場を支えている。また、人工知能(AI)投資が拡大するとの見方も改めて意識され、半導体のエヌビディアなどAI関連の銘柄に買いが広がった。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.0%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が4.7%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が3.6%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が3.3%高と上げが目立った。
内部環境はややポジティブ。中国の政策に対する期待感が強まっている。中国共産党は29日の中央政治局会議で、第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)を10月20〜23日に北京で開くことを決めた。5年に一度、中央委員会が開く4回目の全体会議では、次期5カ年計画(2026〜30年)について話し合う。閉幕後、今後の政策方針を盛り込んだコミュニケ(声明)が公表される予定だ。そのほか、中国国家発展改革委員会(発改委)は29日、投資プロジェクトを加速させるため、5000億人民元(約10兆4500億円)規模の資金を調達する新たな政策金融ツールを導入することを明らかにしている。
なお、中国では本日朝方(日本時間10時半ごろ)、国家統計局などによる9月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される予定。最新のコンセンサス予想では、製造業PMIが49.6(8月は49.4)、非製造業PMIが50.2(8月は50.3)で着地する見通しだ。それに続き、民間集計のS&Pグローバル中国製造業業PMIと中国サービス業PMIが発表される。それぞれ8月実績を下回るとの予想がコンセンサスだ。
また、中国ではあす10月1日、国慶節・中秋節の大型連休がスタートする。本土市場は1〜8日まで、香港市場は1日と7日が休場だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。米株の上昇に加え、中国の政策に対する期待感が相場を押し上げよう。ただ、中国指標の内容には注意したい。結果次第では、相場の波乱要因となる。そのほか、中国の大型連休を前に、様子見ムードが漂う可能性もありそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境には悪材料と好材料がある。まず、米政府機関の一時閉鎖が現実味を帯びていることはマイナスだ。10月1日の新会計年度スタートを前に、与野党は未だにつなぎ予算案で合意できていない。合意できなかった場合、一部の政府機関は閉鎖を余儀なくされる。米労働省は29日、予算切れとなった場合、10月3日に予定する雇用統計など経済指標の発表を停止すると説明した。バンス米副大統領は29日、米国は連邦政府機関の閉鎖に向かっているとの認識を示している。一方、米利下げサイクル再開の期待が高まっていることはプラスだ。足もとのインフレ指標が想定内におさまる中、市場関係者は米連邦準備理事会(FRB)が年内に追加利下げするとの見方を崩していない。
29日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.1%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%高とそろって続伸した。米政府機関が一時閉鎖される可能性が高まったことは重しとなったが、米利下げ期待が相場を支えている。また、人工知能(AI)投資が拡大するとの見方も改めて意識され、半導体のエヌビディアなどAI関連の銘柄に買いが広がった。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.0%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が4.7%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が3.6%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が3.3%高と上げが目立った。
内部環境はややポジティブ。中国の政策に対する期待感が強まっている。中国共産党は29日の中央政治局会議で、第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)を10月20〜23日に北京で開くことを決めた。5年に一度、中央委員会が開く4回目の全体会議では、次期5カ年計画(2026〜30年)について話し合う。閉幕後、今後の政策方針を盛り込んだコミュニケ(声明)が公表される予定だ。そのほか、中国国家発展改革委員会(発改委)は29日、投資プロジェクトを加速させるため、5000億人民元(約10兆4500億円)規模の資金を調達する新たな政策金融ツールを導入することを明らかにしている。
なお、中国では本日朝方(日本時間10時半ごろ)、国家統計局などによる9月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される予定。最新のコンセンサス予想では、製造業PMIが49.6(8月は49.4)、非製造業PMIが50.2(8月は50.3)で着地する見通しだ。それに続き、民間集計のS&Pグローバル中国製造業業PMIと中国サービス業PMIが発表される。それぞれ8月実績を下回るとの予想がコンセンサスだ。
また、中国ではあす10月1日、国慶節・中秋節の大型連休がスタートする。本土市場は1〜8日まで、香港市場は1日と7日が休場だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。米株の上昇に加え、中国の政策に対する期待感が相場を押し上げよう。ただ、中国指標の内容には注意したい。結果次第では、相場の波乱要因となる。そのほか、中国の大型連休を前に、様子見ムードが漂う可能性もありそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。