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2025/10/02 08:46

買い先行か、内外に好材料 無料記事

◆休場明け2日の香港マーケットは、内外の好材料で買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。米長期金利の低下や海外株高が追い風だ。1日に発表された9月のADP全米雇用リポートでは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が前月比3万2000人減と市場予想(5万人増)に反し減少し、2023年3月以来で最大の落ち込みとなっている。雇用情勢の悪化を受け、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げをするとの観測が改めて強まった。1日の米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りが急低下している(債券価格は反発)。また、米国でつなぎ予算案が可決できず、新会計年度が始まった1日に米政府機関が一部閉鎖。米景気の悪化懸念が意識されたことも、利下げ期待を後押しした。
 1日の米株市場は、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が前日比0.3%高と4日続伸し、9月22日以来となる史上最高値を更新した。また、主要指標のNYダウが0.1%高と4日続伸し、連日で最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.4%高、とそろって4日続伸した。そのほか、欧州市場では、英国のFTSE100指数が1.0%高と連日で最高値を更新。ドイツのDAX指数が1.0%高、フランスのCAC40種指数が0.9%高と主要株価指数が軒並み上昇している。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.4%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が4.3%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が4.0%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が4.0%高と上げが目立った。
 内部環境も悪くない。中国では国慶節・中秋節の大型連休が1日スタートした。本土市場は8日まで休場とあって(香港市場は7日が休場)、国内発の新規材料には乏しいものの、政策期待は続いている。次期5カ年計画(2026〜30年)について討議する20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)に関しては、今月20〜23日に開催される予定だ。また、当局はこのところ、人工知能(AI)技術を軸とした産業支援、「AI+」政策に注力しているほか、産業支援や「内巻」(過当競争)是正、消費刺激などの経済対策を強めている。直近では、金融によって実体経済を支え、効果的に投資を拡大するために、5000億人民元(約10兆4500億円)規模の新たな「政策的金融ツール」を導入する方針も打ち出された。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。米長期金利の低下や、海外の株高、中国の政策期待などにより、投資家のリスク選好が強まりそうだ。


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