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2025/09/08 08:43

神経質な値動きか、中国貿易統計を注視 無料記事

◆週明け8日の香港マーケットは、中国指標の見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。米労働市場が一段と軟化したことを受け、米景気の減速が警戒されている。米労働省が6日発表した8月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比2万2000人増にとどまり、市場予想(7万5000人増)を大幅に下回った。さらに、6月分を1万4000人増から1万3000人減に下方修正。前月比で減少したのは新型コロナウイルス過に見舞われた2020年12月以来となる。一方、米連邦準備理事会(FRB)は大幅利下げに踏み切るとの見方も一部で浮上し、米債券市場では長期金利の指標となる10年債利回りが大幅に低下(債券価格は3日続伸)。一時、約5カ月ぶりの低い水準を付けた。
 5日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.48%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.03%安と3日ぶりに反落している。大幅な米利下げ観測が浮上したことは支えとなったものの、米景気懸念が上値を抑えた。
 半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%高と3日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が3.8%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が3.6%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が3.0%高と上げが目立った。
 一方、内部的には中国指標の発表が気がかり。中国ではきょう8日に8月の貿易統計、10日に物価統計が公表される。米ドル建て輸出に関しては、前月の7.2%増から5.5%増、米ドル建て輸入は4.1%増から3.4%増に減速するとの予想がコンセンサスだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国指標の内容を見極めながらの展開となりそうだ。米景気の減速懸念が強まったことも重しとなろう。ただ、中国の政策に対する期待感は根強く、下値を叩くような売りは予想しない。今週は、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議が8〜12日に北京で開催される見通しだ。
 なお本日付で、中国電信(チャイナ・テレコム:728/HK)、京東物流(JDロジスティクス:2618/HK)、泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ:9992/HK)の3銘柄がハンセン指数の構成銘柄に組み入れられる。ハンセン指数の構成銘柄は85→88に増加する運びだ。それぞれの値動きにも注目したい。


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