2025/10/10 08:49
上値の重い展開か、内外環境に不透明感 
◆10日の香港マーケットは、内外環境の不透明感が重しとなる流れか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はややネガティブ。米国では10月1日に新会計年度が始まったが、未だにつなぎ予算案が成立せず、米政府機関の一部閉鎖は続いたままだ。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策で重視する雇用関連の指標も発表されずにいる。実体経済に対する影響が不安視される状況だ。
米中協議も気がかり。トランプ米大統領と中国の習近平・国家主席が今月末、韓国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で対面で会談する見通しだが、ここにきて両国の応酬が激しくなっている。中国政府は9日、米国向け輸出などを念頭に、レアアース(希土類)関連技術の輸出管理を厳格化するほか、リチウムイオン電池の輸出を規制すると発表した。一方、米政権は中国のルーターメーカー、TPリンク・システムズの米事業を制限する措置を検討中と伝わっている。また、トランプ氏は9日、米中通商関係の改善がなければ、中国からの輸入品の大部分を停止する可能性があると警告した。
9日の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.5%安と4日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安と反落した。米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの警戒感がくすぶったほか、主要指数が史上最高値圏で推移していることで相場の過熱感も意識された。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.0%安と反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が5.3%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.9%安、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が4.2%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が4.1%安と下げが目立った。
内部環境もやや不透明。中国指標の発表が気がかりだ。中国では来週にかけ、9月の重要経済指標の発表が相次ぐ。13日に貿易統計、15日に物価統計、金融統計も15日までに予定されている。ただ、経済対策の期待感が持続していることはプラス。中国共産党は今月20〜23日に第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)を開き、来年から始まる第15次5カ年計画(2026〜30年)について議論する。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。内外環境の不透明感が投資家心理を冷やしそうだ。ただ、米追加利下げや中国の政策に対する期待感は根強く、政策の恩恵を受けやすい銘柄などの物色はみられよう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はややネガティブ。米国では10月1日に新会計年度が始まったが、未だにつなぎ予算案が成立せず、米政府機関の一部閉鎖は続いたままだ。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策で重視する雇用関連の指標も発表されずにいる。実体経済に対する影響が不安視される状況だ。
米中協議も気がかり。トランプ米大統領と中国の習近平・国家主席が今月末、韓国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で対面で会談する見通しだが、ここにきて両国の応酬が激しくなっている。中国政府は9日、米国向け輸出などを念頭に、レアアース(希土類)関連技術の輸出管理を厳格化するほか、リチウムイオン電池の輸出を規制すると発表した。一方、米政権は中国のルーターメーカー、TPリンク・システムズの米事業を制限する措置を検討中と伝わっている。また、トランプ氏は9日、米中通商関係の改善がなければ、中国からの輸入品の大部分を停止する可能性があると警告した。
9日の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.5%安と4日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安と反落した。米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの警戒感がくすぶったほか、主要指数が史上最高値圏で推移していることで相場の過熱感も意識された。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.0%安と反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が5.3%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.9%安、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が4.2%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が4.1%安と下げが目立った。
内部環境もやや不透明。中国指標の発表が気がかりだ。中国では来週にかけ、9月の重要経済指標の発表が相次ぐ。13日に貿易統計、15日に物価統計、金融統計も15日までに予定されている。ただ、経済対策の期待感が持続していることはプラス。中国共産党は今月20〜23日に第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)を開き、来年から始まる第15次5カ年計画(2026〜30年)について議論する。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。内外環境の不透明感が投資家心理を冷やしそうだ。ただ、米追加利下げや中国の政策に対する期待感は根強く、政策の恩恵を受けやすい銘柄などの物色はみられよう。
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