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2025/09/11 17:37

香港大引:ハンセン0.4%安で5日ぶり反落、医薬株が下げ主導 無料記事

 11日の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前日比113.94ポイント(0.43%)安の26086.32ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が67.91ポイント(0.73%)安の9260.25ポイントと5日ぶりに反落した。売買代金は3252億530万香港ドル(約6兆1723億円)に拡大している(10日は2882億860万香港ドル)。
 投資家の慎重スタンスがやや強まる流れ。対中圧力が強まっていることや、中国のデフレも改めて不安されている。外電は10日、消息筋情報として、トランプ米大統領は中国の医療品に対する「厳しい規制」を検討しているもようと伝えた。ほか、メキシコ政府は中国製自動車・鉄鋼などの関税を引き上げることを検討中とも報じられている。また、10日発表された8月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)が前年同月比でマイナス0.4%と前月の横ばいから下落に転じた。内需の弱さが指摘されている。米中の指標発表も気がかり。米国では11日、米金融政策に与える影響が大きい8月の消費者物価指数(CPI)、中国では来週15日に8月の小売売上高や鉱工業生産、1〜8月の不動産投資などが公表される予定だ。
 ただ、下値は限定的。中国の政策に対する期待感は根強く、指数は下げ幅を徐々に縮小した(一時、プラス圏に浮上)。中国当局はこのところ、人工知能(AI)技術を軸とした産業支援、「AI+」政策に注力しているほか、消費刺激、「内巻」(過当競争)是正など景気対策を相次ぎ打ち出している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、医薬の下げが目立つ。翰森製薬集団(3692/HK)が8.8%安、石薬集団(1093/HK)が7.5%安、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が5.6%安で引けた。米国の圧力を警戒。中国の医薬品パイプライン(新薬候補)はここ数年で拡大し、足もとでは米製薬企業が中国企業から新薬候補を導入する大型のライセンス契約が増えている。
 中国の不動産セクターも安い。広州富力地産(2777/HK)が4.1%、雅居楽集団HD(3383/HK)と合景泰富地産HD(1813/HK)がそろって3.6%、中国奥園集団(3883/HK)が3.2%ずつ下落した。
 自動車セクターもさえない。長城汽車(2333/HK)が3.7%安、理想汽車(2015/HK)が3.0%安、小鵬汽車(9868/HK)が1.9%安、蔚来集団(9866/HK)が1.8%安と値を下げた。蔚来は増資計画を発表したことも嫌気されている。
 半面、非鉄セクターは高い。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.8%、中国宏橋集団(1378/HK)が3.6%、中国アルミ(2600/HK)と江西銅業(358/HK)がそろって3.3%ずつ上昇した。
 半導体セクターも物色される。英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が9.2%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が5.0%高、華虹半導体(1347/HK)が4.6%高、晶門半導体(2878/HK)が1.1%高で取引を終えた。
 本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.65%高の3875.31ポイントで取引を終了した。ハイテクが高い。証券、不動産、素材、軍需産業、インフラ建設、自動車、消費関連、銀行・保険なども買われた。半面、医薬は売られている。



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