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2025/09/24 08:58 NEW!!

神経質な値動きか、内外に不安材料 無料記事

◆24日の香港マーケットは、内外の不安材料で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には不安材料がある。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言がネガティブだ。パウエル氏は23日の講演で、雇用の弱さとインフレの加速が混在し、金融政策は難しい状況にあるとの見解を明らかにした上で、今後の利下げは慎重に判断すると述べている。また、多くの指標が株価の割高感を示唆しているとの認識も示した。
 23日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.2%安と5日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%安と4日ぶりに反落。ほか、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が0.6%安と4日ぶりに反落している。主要3指数は前日まで、連日で史上最高値を更新していた。パウエルFRB議長の「株価は割高」発言で利益確定売りが優勢となっている。また、米国では26日、FRBがインフレ指標として重要視する8月の個人消費支出(PCE)価格指数が発表されることも気がかり材料として意識された。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.2%安と4日続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が8.1%安、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が4.2%安、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が4.2%安と下げが目立った。
 内部環境も不透明。大型台風の経済に与える影響が危惧されている。猛烈な勢力の台風18号(ラガサ)の接近を受け、香港天文台は24日未明に最高レベルの台風警報「シグナル10」を発令。すでに香港当局は学校の休校を命じ、企業にも在宅勤務を促した。また、深セン市など広東省の複数都市が「五停」(授業停止、工事停止、生産停止、運行停止、営業停止)措置を実施している。マカオでは域内カジノが閉鎖。シティグループは最新リポートで、カジノ施設の一時閉鎖による影響を織り込み、マカオの9月カジノ売上高の予想値を195億パタカから185億パタカ(約3420億円)に下方修正した。また、中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・総裁が利下げを急がないスタンスを強調したことも、引き続き懸念材料となる。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。人工知能(AI)産業拡大の期待は根強く、引き続き相場の支援材料となりそうだが、内外の不安材料が投資家心理の重しとなろう。


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