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2019/07/12 08:51

方向感を欠く展開か、中国統計が気がかり材料に 無料記事

◆12日の香港マーケットは、中国統計を気にしながら方向感を欠く展開か。
 外部環境は良好。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.8%高の27088.08ドルと続伸し、初めて27000ドルの大台に乗せた。5営業日ぶりに史上最高値を更新している(前日に最高値を切り上げたナスダック指数は0.1%安と3日ぶり反落)。前日に続き、早期の米大幅利下げ期待が相場を押し上げた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は10日、下院での議会証言でより緩和的な金融政策を打ち出す方針を示唆。11日に行われた上院での議会証言では、「物価上昇率は目標の2%を7カ月連続で下回っている」として、「金融政策で後手に回りたくない」と強調した。また、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は11日、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ポイントの利下げが実施されるとのコンセンサスについて、「より大きい0.5ポイントの利下げが必要」との認識を示している。
 一方、11日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%高と4日ぶりに反発。金融緩和の思惑が広がった。6月物価統計の結果を受けてデフレ懸念が強まるなか、市場関係者の一部は「中国人民銀行(中央銀行)による政策金利引き下げの可能性が高まった」と指摘。また、米国が近く追加利下げに踏み切ることがほぼ確実視されている点も踏まえ、「中国の利下げ余地が拡大する」との見方も浮上している。ただ、上値は限定的。ハイテク・スタートアップ企業向け株式市場「科創板」の取引開始を22日に控え、需給悪化の警戒感が続いた。同市場では25社が一斉に新規株式公開(IPO)し、調達額は計310億8900万人民元(約4890億円)に上る見込み。2018年A株IPO調達総額の23%に相当する規模となる。
 なお本日は、取引時間中に6月の中国貿易統計が発表される予定。事前予想では、人民元ベースの輸入が前年同月比3.7%増(前月は2.5%減)、輸出が同6.9%増(同7.7%増)で着地するとみられている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。上述した中国の輸出入統計が気がかり材料だ。また、週明け15日には、4〜6月期GDP成長率や6月の経済統計(小売売上高、鉱工業生産など)が集中して公表される。模様眺めのスタンスが強まる可能性もあろう。


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