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2019/03/12 09:02

底堅い展開か、米株高と原油上昇が支えに 無料記事

◆12日の香港マーケットは、米株高と原油上昇が好感される流れか。
 外部環境は良好。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比0.8%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.0%高とそろって6日ぶりに反発した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米TV番組に出演し、「利上げを急がない」スタンスを示したことが買い安心感につながっている。1月の米小売売上高が上振れしたことも、足元で強まっていた景気鈍化の懸念を和らげさせた。主力ハイテク株の急伸もプラス。バンク・オブ・アメリカが投資判断を引き上げたことを受け、米アップルは3.5%高と急伸した。半導体のエヌビディアはイスラエルの同業買収を材料に、7.0%高と急騰している。墜落事故の影響が懸念されたボーイングが急落し、ダウ平均はマイナス圏でスタートしたものの、徐々に買いの勢いが増した。
 一方、11日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.9%高と反発。先週末に4.4%安と急落した反動に加え、米中協議の進展が好感された。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は10日の記者会見で、「米中協議では、自国企業の輸出を後押しするための通貨切り下げを両国間で行わないことで合意した」と発言している。また、中国の政策に対する期待感も改めて強まった。易綱総裁は前述した記者会見で、景気減速に対応するため、融資の促進や借り入れコストの引き下げ方針を示している。中国では年一度の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が15日まで開催される予定。会期中、各種の政策方針が明らかにされる見通しだ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅い展開か。昨夜の米株高や、原油相場の上昇が手がかりとなろう。WTI原油先物は昨夜、主要産油国が大幅減産を継続する見通しと伝わるなかで、1.3%高と反発した。足元の中国経済指標は弱い内容が多く、景気先行き不安もくすぶるが、政策期待が高まっていることが相場の下支え要因となろう。


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