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2020/11/10 09:11

しっかりか、コロナワクチンの普及期待が支えに 無料記事

◆10日の香港マーケットは、コロナワクチン期待で買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は総じてポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比3.0%高と急反発し、今年2月以来の高値水準を回復。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は1.2%上昇し、ザラバでは史上最高値を更新している。新型コロナウイルスワクチンの承認が近いと伝わるなか、経済活動正常化の期待が高まった。米ファイザーは9日、独製薬会社と共同開発しているワクチンに関し、数万人が参加した臨床試験(治験)で9割以上の被験者に感染抑制効果がみられたと発表。安全性の確認を経て、早ければ11月3週にも米食品医薬品局(FDA)にワクチンの緊急使用許可を申請する見通しだ。経済活動正常化で恩恵を受ける景気敏感株などが大幅上昇している。半面、コロナ流行の恩恵を受けていた「巣ごもり消費」関連株は値を落とし、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.5%安と6日ぶりに反落した。
 一方、9日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が1.9%高と反発。約2カ月ぶりの高値水準を回復した。投資家のリスク選好スタンスが強まる。米大統領選で野党・民主党のバイデン前副大統領が当選を確実にする中、米中関係の改善が期待された。人民元高もプラス。中国人民銀行(中央銀行)は9日、人民元レートの対米ドル基準値を約2年4カ月ぶりの元高水準に設定した。上海外国為替市場では、先週後半から元高の動きが加速している。
 資金流入も加速。中国・香港間の相互取引スキームを通じた9日の売買では、香港経由の本土株売買が大幅な買い越しだった。香港メディアによれば、買い越し額は過去最大に迫る水準だったという。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。コロナワクチンの普及期待が相場の支えとなりそうだ。ただ、指数は直近の上昇ピッチが速かったこともあり、上値では売り圧力も意識されよう。
 なお本日は取引時間中(日本時間10時半ごろ)に、10月の中国物価統計が公表される予定だ。



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