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2020/12/09 09:03

神経質な値動きか、米中関係悪化を懸念 無料記事

◆9日の香港マーケットは、米中関係の悪化懸念で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.4%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%高と3日続伸している(ナスダック指数は連日で最高値を更新)。新型コロナウイルスのワクチン普及に対する期待感が再び高まった。英国では8日、欧米各国で初めてワクチン接種が開始されている。米国では米食品医薬品局(FDA)が同日、米ファイザーがドイツ製薬会社と共同開発したワクチンの有効性と安全性を確認したと発表。10日の諮問会議で承認されるとの見方が広がっている。ただ、上値は重かった。追加の経済対策に関する与野党協議が難航する中、足元の景気悪化懸念が強まっている。
 一方、8日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.2%安と続落。米国の対中制裁を不安視している。米政府は7日、香港立法会(議会)民主派議員の資格剥奪に絡み、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の幹部14人(いずれも副委員長)に金融制裁を発動し、米国への渡航も禁止した。米国はこのところ、対中制裁を相次ぎ打ち出している。トランプ米大統領の任期満了を来月に控え(2021年1月20日正午まで)、中国に対する圧力が加速する――と懸念された。
 米中関係を巡っては、中国の外務次官が8日、米国の臨時代理大使に対し、米政府が全人代幹部14人を制裁対象にしたことを猛烈に抗議。対抗措置を打ち出すことを予告した。他方、米財務省は8日、北朝鮮の違法な石炭輸出に関与したとして、複数の中国企業を制裁対象に追加したと発表している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。コロナワクチンの普及で世界経済が持ち直すとの期待はプラスだが、上述したように、米中関係の悪化が投資家心理の重しとなろう。
 なお本日は取引時間中(日本時間10時半ごろ)、11月の中国物価統計が公表される予定だ。


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