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2020/12/01 09:05

売り先行か、米株安が重しに 無料記事

◆1日の香港マーケットは、米株安を嫌気した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比0.9%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%安と5日ぶりに反落した。足もとの景気不安が再び強まる。この日発表された11月の米シカゴ景気指数は予想以上に前月から低下し、ダラス連銀が公表した同月の製造業景況指数も前月から大幅に落ち込んだ。また、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は11月29日、感謝祭の休日後に新型コロナウイルス感染が急増する――と警告。行動規制の強化も警戒された。
 一方、11月30日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.5%安と3日ぶりに反落した。銀行株の下げが重し。利ザヤ改善が期待される中、連日で急ピッチに上昇していただけに、当面の利益をひとまず確定する動きが活発化した。また、上海総合指数は取引時間中に年初来の高値圏を回復している。もっとも、大きく売り込む動きはみられない。中国指標の上振れが支えとなった。朝方公表された11月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)は52.1となり、市場予想(51.5)を上回っている。
 なお、本日は取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、11月の財新・中国製造業PMI(民間集計)が公表される予定。事前の市場コンセンサス予想では、前月の53.6から53.5にやや低下する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜のロンドン金属市場(LME)でアルミや銅など主要商品が軒並み上昇(銅先物は約7年8カ月ぶりの高値)するなど好材料はあるものの、ひとまず米株安を嫌気した売りが先行しそうだ。
 また、米中対立の警戒感もくすぶる状況。中国では本日(12月1日)、戦略物資やハイテク技術の輸出管理を強化する輸出管理法が施行される。ロイター通信が11月30日、米政府が近く、中国人民解放軍が所有または支配していると見なされる中国企業のリストに中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)と中国海洋石油(CNOOC:883/HK)を追加する見通し――と報じたこともあり、両国の対立はさらに激化する恐れもある。


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