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2021/01/04 09:19

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆年明け初商い4日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。昨年12月31日の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.7%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%高とそろって続伸した(NYダウは終値ベースの史上最高値を連日で更新)。景気回復期待が相場を押し上げる。米労働省が発表した新規失業保険申請件数(週間)は、前週から予想外に減少した。1カ月ぶりの低水準となる中、労働市場の回復が進んでいると分析された。
 一方、中国国内には好材料と悪材料が入り混じる。まず、2021年は第14次5カ年計画(2021〜25年)の初年度となるだけに、経済支援策の期待が高まっていることはプラスだ。また、人力資源・社会保障部は12月30日、年金基金の株式投資枠に関し、将来的に最大40%まで拡大する意向を表明したことも好材料となる。流入資金は最大で3000億人民元(約4兆7500億円)に達するという。こうした中、昨年12月31日の本土株市場では、政策期待を支えに主要指標の上海総合指数が1.7%高と続伸した。
 他方、金融当局が12月31日、2021年1月から住宅ローンや不動産企業の融資に関し、各銀行に総量規制を設けると発表したことはマイナス材料となる。関連銘柄にとっての逆風だ。
 また、米国による対中制裁の余波も警戒される。中国人民解放軍が所有、または支配していると見なされる中国企業への投資を禁止する大統領令を受け、米NY証券取引所は2日までに、中国移動(チャイナ・モバイル:CHL/US、941/HK)、中国電信(チャイナ・テレコム:CHA/US、728/HK)、中国聯通(チャイナ・ユニコム:CHU/US、762/HK)の通信大手3社の(ADR)上場廃止手続きに入ることを決めたと発表した。
 本日の本土・香港マーケットは、上述した材料が交錯し、全体として方向感を欠く展開となりそうだ。
 なお本日は、取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に20年12月の財新中国製造業PMI(民間集計)が公表される予定。事前の市場コンセンサス予想では、11月の54.9から54.7にやや低下するとみられている。


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