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2020/10/29 09:03

売り先行か、欧米の新型コロナ再流行を不安視 無料記事

◆29日の香港マーケットは、欧米の新型コロナ再流行で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比3.4%安と4日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.7%安と反落した。NYダウは約3カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。欧州や米国で新型コロナウイルス感染が再び流行し、投資家のリスク回避スタンスが鮮明化した。米国では過去1週間の新型コロナ新規感染者数が過去最多を更新し、中西部を中心に入院患者数が急増している。また、フランスのマクロン大統領は28日、コロナ感染拡大に対処するため、全土で再びロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表。ドイツのメルケル首相は「数週間以内に医療崩壊する恐れもある」として、今春実施したロックダウン以来の厳しい規制措置を導入することを明らかにした。欧州市場の主要株価指数は軒並み急落している。世界株安の連鎖が警戒される中、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比で20.78%高の40.28ポイントと急上昇。6月11日以来の高水準に達した。
 一方、28日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.5%高と続伸。中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)の閉幕を29日に控え、これから打ち出される各種支援策に対する思惑が広まっている。主要な議題となる第14次5カ年計画(2021〜25年)では、向こう10年内に経済力で米国を上回ることを視野に入れた目標が設定される見通し。内需の拡大や科学技術の発展に向け、各種の政策を推進していくとみられている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。中国の政策に対する期待感は根強いものの、欧米で新型コロナ感染が再流行していることがマイナス。世界経済の先行き不安が強まる状況だ。
 なお、主要企業の決算発表は佳境を迎えつつある。本日は、比亜迪(1211/HK)や中国石油天然気(857/HK)、澳門博彩HD(880/HK)、中国建設銀行(939/HK)、青島ビール(168/HK)、比亜迪電子(285/HK)、中信銀行(998/HK)、東方電気(1072/HK)、中遠海運能源運輸(1138/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、江西カン鋒リ業(1772/HK)、中国交通建設(1800/HK)、万科企業(2202/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、大連港(2880/HK)、中海油田服務(2883/HK)、中信証券(6030/HK)、海通証券(6837/HK)などが四半期決算を報告する予定だ。


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