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2023/07/10 09:04

自律反発狙いで買い先行か、中国物価統計には注意 無料記事

◆週明け10日の香港マーケットは、自律反発狙いの買いが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。7日の米株市場は、米利上げの長期化懸念がくすぶる中、主要指標のNYダウが前日比0.6%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安とそろって3日続落した。賃金インフレの進行を受け、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを加速させると不安視されている。朝方公表された6月の米雇用統計では、雇用者数(非農業部門)の伸びが予想を下回ったものの、平均時給の伸びは予想を上回り、再び加速した。米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は7日、連邦準備理事会(FRB)当局者による「高インフレを抑制するためには、年内に追加で2.3回の利上げが必要となる」との見方を支持すると述べている。
 米中関係の動向に関しては、イエレン米財務長官が先週北京を訪問し、4日間の日程で李強・首相など中国政府高官と相次いで会談。長官は9日に記者会見し、安全保障分野で米中間の隔たりは大きいとした上で、「全面対立を回避し、対話を継続していく」方針を示した。
 一方、内部的には新規の取引材料に乏しい。中国景気の回復遅れが懸念される半面、当局が経済対策を強めるとの期待は高まっている。
 なお、中国では本日(日本時間午前10時半ごろ)、6月の物価統計が公表される。市場コンセンサス予想では、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比0.2%(前月も0.2%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス5.0%(同マイナス4.6%)で着地する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは、いったん買い戻しの動きが先行しそうだ。先週のハンセン指数は急ピッチに下落し、6月1日以来、5週ぶりの安値水準を切り下げているだけに、値ごろ感に着目した買いが入ることに期待したい。また、米中高官の会談は目立った成果がなかったとはいえ、関係改善に向けた取り組みが継続するとの期待もある。ただ、中国物価統計の内容には注意したい。PPIは企業活動の目安になるため、予想以上の下落は売り材料になる恐れもある。



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