/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2024/01/09 08:37

上値の重い展開か、中国経済の先行きを不安視 無料記事

◆9日の香港マーケットは、中国経済の先行き不安で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。8日の米株市場は、インフレ鈍化が期待される中で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6%高と3日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も2.2%高と続伸している。ニューヨーク連銀が発表した2023年12月の消費者調査では、1年先のインフレ期待が3カ月連続で低下し、21年1月以来の低い水準となった。米債券市場では、米10年債利回りが低下に転じている。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての追い風となった。
 一方、内部環境は不透明。中国経済の先行き不安が強まっている。不動産デベロッパーや影の銀行(シャドーバンキング)の債務問題、景況感悪化などがマイナス材料だ。北京市第一中級法院(中等裁判所)は5日、債務超過に陥った民営ノンバンク系資産運用会社、中植企業集団有限公司の破産申請を受理したことを明らかにしている。また、「中国の証券当局が運用会社の株売り越し規制を解除したもよう」と報じられたこともマイナス材料。中国証券監督管理委員会(証監会)は昨年、低迷するA株市場を支えるため、主要な運用会社に対し、1日あたりの株式売買が売り越しになることを禁じていた。ファンドの解約換金で売り圧力が高まると不安視されている。
 なお今週は、中国で12日に12月の物価統計と貿易統計が発表される予定。デフレ脱却に向けた兆しが確認できるかが焦点だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米長期金利の低下は好材料だが、中国経済の先行き不安が続いている。週内に公表される物価や貿易の統計も気がかりだ。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース