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2024/03/28 08:47

神経質な値動きか、米中関係悪化を警戒 無料記事

◆28日の香港マーケットは、米中対立の警戒感で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。27日の米株市場は、新規材料に乏しい中で買い戻しが優勢となる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.2%高と4日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%高と3日ぶりにそれぞれ反発。そのほか、機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は0.9%上昇し、史上最高値を更新している。これまでに公表された景気指標が堅調だったことを蒸し返し、米経済が軟着陸(ソフトランディング)するとの見方が改めて広がった。また、四半期末を控え、機関投資家による「お化粧買い」が入ったとの声も聞かれている。
 ただ、米国の対中圧力は気がかり。イエレン財務長官は27日、中国政府に対し、電気自動車(EV)などの過剰生産を見直すよう求めると講演で述べている。米メディアによれば、イエレン氏は4月にも中国も訪問する見通しだ。EVを巡っては、中国商務部が26日、米政府のEV優遇策は公平な競争を阻害しているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴したことを明らかにしている。
 一方、内部環境もやや不透明。中国人民銀行(中央銀行)は27日、人民元レートの対米ドル基準値を再び元安方向に設定した。上海外国為替市場では、対米ドルの相場が元安方向で推移している。
 なお、香港市場はあす29日から週明け4月1日までイースター連休となる。ほか、休場中の3月31日に3月のPMI(国家統計局などが集計)が公表される予定だ。
 また、香港上場企業の決算報告は終盤に入る。きょう28日は中国中信(267/HK)や馬鞍山鋼鉄(323/HK)、鞍鋼(347/HK)、中国中鉄(390/HK)、東風汽車集団(489/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国海外発展(688/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国稀土HD(769/HK)、中国建設銀行(939/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、華晨中国汽車HD(1114/HK)、中国生物製薬(1177/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、華虹半導体(1347/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、碧桂園HD(2007/HK)、万科企業(2202/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、長城汽車(2333/HK)、中銀香港(2388/HK)、中国銀行(3988/HK)、江西金力永磁科技(6680/HK)などが期末決算を発表する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米株の持ち直しや、中国の経済対策に対する期待感などは支えとなりそうだが、米中関係の悪化が不安材料だ。香港市場はあすから連休になることも、買い手控え要因となろう。ただ、企業業績の動向を材料にした物色は引き続き期待できそうだ。


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