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2020/06/15 08:29

売り先行か、新型コロナ「第2波」を不安視 無料記事

◆週明け15日の香港マーケットは、ウイルス感染拡大「第2波」を不安視した売りが先行する流れか。
 外部環境は依然として不透明。先週末の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.9%高と4日ぶりに反発したものの、前日に過去4番目の下げを記録した反動だとの見方が優勢で、安く推移する場面もあった(ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.0%高と反発)。新型コロナウイルス感染拡大「第2波」の警戒感が根強い。オレゴン州知事は12日、州内で感染者数が増加していることを懸念し、「経済活動再開の動きを一時中断する」と声明した。
 また、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は12日、一部の州で再び感染が拡大していることに関し、強力な措置を講じなければ制御不能になると警告している。日本時間の15日朝方、グローベックスのNYダウ先物は急落で推移する状況だ。
 一方、12日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.04%安と小幅ながら3日続落。足元の経済指標が相次ぎ下振れるなか、景気持ち直しの期待がやや後退した。また、欧州や米国で新型コロナ感染拡大「第2波」の懸念が強まっていることも投資家心理の重しとなっている。ただ、「景気下振れは当局に経済対策強化を促す」との見方もあり、指数は終盤に入り、一時プラス圏で推移した。
 新型コロナを巡っては、2カ月近く新規感染が確認されていなかった北京市で12日、クラスター(感染集団)が発生した。北京市政府は14日の記者会見で、新たに44人の感染を確認したことを明らかにし、「非常時に入った」と宣言している。発生源となった市場は閉鎖され、近隣の学校は休校、外出制限が実施されている。
 なお本日は取引時間中(日本時間午前11時ごろ)に、中国の国家統計局が5月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)を公表する予定だ。直近のコンセンサス予想では、総じて前月からの改善が見込まれている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。上述したように、新型コロナ感染拡大の不安が投資家心理を冷やしそうだ。ただ、本日公表の各種統計の内容次第では、買い戻しが入る可能性もあろう。


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