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2024/03/06 08:47

上値の重い展開か、内外環境が不透明 無料記事

◆6日の香港マーケットは、内外の不安材料で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。5日の米株市場は、重要イベントを前に買いが手控えられる展開だった。主要指標のNYダウが日比1.0%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.7%安とそろって続落している。米国では、6日に2月のADP雇用統計が発表され、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が6日と7日に米上下両院で半期に一度の金融政策報告書についての議会証言に臨む予定だ。新規材料に乏しい中で、内容を見極めたいとするムードが強まっている。アップル株が2.8%安と大幅続落したことも逆風。調査会社が5日に公表したデータによれば、中国のiPhone販売は年初からの6週間で前年同期比24%減に低迷した。
 内部環境も不透明。向こう1年間の政策運営方針を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が5日開幕し、冒頭で読み上げられた「政府活動報告」では、今年のGDP成長目標を23年と同水準の「5.0%前後」とする方針が示された。これに関しては、「物足りない」との声が一部から上がっている。各種政策方針に関しても、「目新しさはない」との見方もあった。国際通貨基金(IMF)は先月、中国経済の年次報告を発表し、2024〜25年の実質成長率が4%を割り込む恐れがあると警鐘を鳴らしている。
 なお、中国ではあす7日に2月の貿易統計、8日に同月の物価統計が公表される予定。消費者物価指数(CPI)については、マイナス0.8%からプラス0.3%に改善するとの見通しだが、デフレ脱却につながるかが焦点だ。上述した全人代では、物価上昇率の目標が3.0%前後に設定されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。内外環境の不透明感が投資家心理を冷やしそうだ。ただ、全人代は11日まで開催されているため、関係各所からのブリーフィングが材料視される可能性はある。


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