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2023/10/25 08:55

内外の好材料で買い先行か、習主席は異例の人民銀訪問 無料記事

◆25日の香港マーケットは、内外の好材料で買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。24日の米株市場は、主要企業の決算内容を評価した買いが全体相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6%高と5日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.9%高と続伸している。主要企業の四半期決算報告が進む中、予想を上回った銘柄が相次ぎ、投資家心理が上向いた。個別では、通信のベライゾンが9.3%高。売上高と1株利益が上振れたほか、通期見通しが上方修正された。ほか、事務用品のスリーエム(3M)が5.3%高。同社の決算は赤字ながら売上高は予想を上回り、通期業績の見通しも上方修正された。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は18.97に低下し、前日比で6.9%下落。先週19日に20を突破し、23日は一時23を超える場面があった。
 内部環境も悪くない。中国の景気鈍化や、中国と台湾の関係悪化などは不安視されるものの、中国当局の経済対策に対する期待感が高まっている。全国人民代表大会(全人代)常務委員会は24日夜、2023年の財政赤字を対国内総生産(GDP)比で約3.8%に引き上げると発表(従来は3%に設定)。これにより、1兆人民元(約20兆4600億円)の国債追加発行が承認された。また、習近平・国家主席は24日午後、異例の中国人民銀行(中央銀行)訪問を行っている。事情に詳しい関係者の話によれば、主席は政府高官を伴い、人民銀と国家外為管理局(SAFE)を訪問。主席が人民銀を訪れたのは、就任以来で初めてとなる。「政権が経済を重視している」との判断につながりそうだ。昨夜の米株市場では、中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が4.0%高と急上昇している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買い先行しそうだ。上述したように、内外の好材料が投資家のセンチメントを上向かせそうだ。また、昨日のハンセン指数は約11カ月半ぶりの安値を付けているだけに、買い戻しも入りやすいだろう。


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