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2024/05/10 08:41

買い先行か、内外環境が改善 無料記事

◆10日の香港マーケットは、内外環境の安定で買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。9日の米株市場は、米利下げ観測の高まりが相場を押し上げる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.9%高と7日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%高と3日ぶりに反発している(NYダウは4月1日以来の高値)。米労働環境の悪化傾向を受け、米連邦準備理事会(FRB)は年後半に利下げを開始するとの観測が一段と強まった。米労働省が9日発表した新規失業保険申請件数(週間)は予想以上に増加し、約8カ月ぶりの高水準に達している。それより先に公表された4月の米雇用統計に関しても、(非農業部門の)雇用者数の伸びが予想を下回り、失業率は予想外に増加している。
 内部環境も良好。中国景気の持ち直しや、経済対策に対する期待感が強まっている。前日に発表された4月の貿易統計では、米ドル建て輸出が1.5%増(予想は1.3%増)、輸入が8.4%増(予想は4.7%増)に上向いた(前月は輸出入がそろってマイナス成長)。低迷する不動産市況の改善に向けた動きも加速。足元では地方政府が相次ぎ、住宅購入規制の撤廃や購入支援の強化に動いている。そのほか、消費財買い替えや設備更新の促進に向けた動きも目立つ状況だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。上述したように、米国の利下げと中国の景気持ち直しに対する期待感が相場の支えとなろう。ただ、米中対立の警戒感がくすぶっていることには注意したい。上値をおさえる一因となる可能性もあろう。ICファウンドリー中国最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)の株価動向も気がかりだ。同社が報告した1〜3月期決算は、売上高が19.7%増加し予想を上回ったものの、純利益は68.9%減少し、予想を下回っている。


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