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2024/06/05 08:52

上値の重い展開か、中国指標の発表が気がかり 無料記事

◆5日の香港マーケットは、中国指標の見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定しつつある。4日の米株市場は、米長期債利回りの低下基調が好感される展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.4%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%高と続伸している。労働市場の過熱感が薄れる中、米債券市場では米10年債利回りの低下が続き、足元では約2カ月ぶりの低い水準に達した。4月の米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数が予想以上に前月から減少し、2021年2月以来の低い水準となっている。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した5月の製造業景況感指数が悪化したこともあり、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げするとの観測が一段と高まった。ただ、同時に景気鈍化の懸念も強まり、指数の上昇は限定されている。
 中国国内の環境も悪くない。不動産業の業績不振は続いているものの、政府の強力な支援策で徐々に回復するとみられている。シティグループは最新リポートで、「中国の不動産市場はソフトランディング(軟着陸)に向かっている」との見解を示した。また、米格付け大手ムーディーズは3日、2024年の中国経済成長率予測を4.0%→4.5%に引き上げている。
 なお、中国では来週にかけ、5月の重要経済指標が相次ぎ公表される予定(5日に財新中国サービス業PMI、7日に外貨準備高や貿易統計、12日に物価統計、15日までに金融統計など)。本日(日本時間10時45分ごろ)発表の財新中国サービス業PMI(民間集計)に関しては、前月の52.5と同水準で着地する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米長期金利の低下や過度な中国景気の鈍化懸念が薄らいだことはプラスとなるものの、中国指標の内容が気がかりだ。結果を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因となろう。


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