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2024/07/19 08:44

軟調か、新規買い材料に乏しく 無料記事

◆19日の香港マーケットは、新規買い材料に乏しい中で軟調に推移か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。18日の米株市場は、高値警戒感が意識されたほか、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が薄れる中で売られる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.3%安と7日ぶりに反落。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7%安と続落している。NYダウは前日まで、5日連続でで史上最高値を更新していた。雇用環境が悪化したことも逆風。米労働省が18日発表した新規失業保険申請件数(週間)は、市場予想以上に増加した。賃金インフレの懸念は後退したものの、米景気が想定以上に鈍化するとの懸念も一部で広がっている。また、国際通貨基金(IMF)が19日、米連邦準備理事会(FRB)は2024年後半まで利下げを見送るべきとの見解を公表し、早期利下げ観測に水を差したこともマイナスだ。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で10.01%高い5.93に急上昇し、4月24日以来の高水準に達している。
 ADR(米国預託証券)上場する中国銘柄もさえない。中国企業のADRで構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が1.2%下落している。香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が2.9%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ) が2.6%安、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK、TCOM/NASDAQ)が2.4%安などと下げが目立った。
 一方、中国では18日、中期的な重要政策の方針を話し合う第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が閉幕した。今後の政策方針を盛り込んだコミュニケ(声明)では、国有企業を中心に経済発展を進めるほか、不動産や地方政府債務などのリスクを抑制し、先端半導体などのサプライチェーン(供給網)を強化する方針などが打ち出されたが、とりたてて新味が感じられない内容との見方も少なくはない。これから明らかにされる詳細が注目される状況だ。3中全会の内容についての記者会見は、きょう19日の午前に開かれる。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として軟調に推移か。内外に新規買い材料が乏しく、投資家の模様眺めスタンスも強まりそうだ。3中全会についての記者会見に注目したい。なお、中国では週明け22日、銀行貸出の指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される。市場コンセンサスでは据え置き予想だが、一部の専門家は引き下げの可能性があると述べた。


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