2025/04/22 08:39
上値の重い展開か、米株安が逆風 
◆連休明け22日の香港マーケットは、米株急落を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はネガティブ。中でも米株の急落が不安材料だ。21日の米株市場は、米金融政策の不透明感で、主要指標のNYダウが前営業日比2.5%安と4日続落。ハイテク株比率の大きいナスダック指数も2.6%安と4日続落している。トランプ米大統領は21日、自身のSNSに「米連邦準備理事会(FRB)は今すぐ利下げをしなければ経済が減速しかねない」と投稿し、再び政策金利の引き下げを求めた。中央銀行の独立性が不安視されている。また、ハセット国家経済会議(NEC)委員長は18日、トランプ氏がパウエルFRB議長の解任が可能か検討していると発言。金融市場の混乱が警戒される中で米国資産売りが加速し、トリプル安(株安、債券安、米ドル安)を招いた。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で14.06%高い33.82で終了。市場が不安定な状態とされる30を再び上回っている。
半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.2%高と小幅ながら4日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.3%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.2%高、微博(ウェイボー:WB/NASDAQ、9898/HK)が0.8%高と上げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が2.5%安と3日ぶりに反落する一方、NY金先物は2.9%高と反発し、史上最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね下落した。
一方、内部環境は悪くない。国務院(内閣に相当)は18日に常務会議を開き、厳しい外部環境に直面しているとして、雇用や貿易の支援に注力するほか、株式市場の安定化と不動産市場の活発化に向けた取り組みを強化する方針が決定された。
なお、中国で21日公表された実質的な政策金利となる4月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通りに据え置かれたが、市場では金融緩和の観測が根強い。一部の香港メディアは、政策金利や預金準備率が早期に引き下げられる可能性を報じている。
こうした中、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。香港市場が休場中(18日と21日)の外部環境に改善はみられなかった。前日の本土市場は中国の政策期待で反発したが、米中対立の警戒感が続いているだけに、買い進む動きも限定されよう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はネガティブ。中でも米株の急落が不安材料だ。21日の米株市場は、米金融政策の不透明感で、主要指標のNYダウが前営業日比2.5%安と4日続落。ハイテク株比率の大きいナスダック指数も2.6%安と4日続落している。トランプ米大統領は21日、自身のSNSに「米連邦準備理事会(FRB)は今すぐ利下げをしなければ経済が減速しかねない」と投稿し、再び政策金利の引き下げを求めた。中央銀行の独立性が不安視されている。また、ハセット国家経済会議(NEC)委員長は18日、トランプ氏がパウエルFRB議長の解任が可能か検討していると発言。金融市場の混乱が警戒される中で米国資産売りが加速し、トリプル安(株安、債券安、米ドル安)を招いた。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で14.06%高い33.82で終了。市場が不安定な状態とされる30を再び上回っている。
半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.2%高と小幅ながら4日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.3%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.2%高、微博(ウェイボー:WB/NASDAQ、9898/HK)が0.8%高と上げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が2.5%安と3日ぶりに反落する一方、NY金先物は2.9%高と反発し、史上最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね下落した。
一方、内部環境は悪くない。国務院(内閣に相当)は18日に常務会議を開き、厳しい外部環境に直面しているとして、雇用や貿易の支援に注力するほか、株式市場の安定化と不動産市場の活発化に向けた取り組みを強化する方針が決定された。
なお、中国で21日公表された実質的な政策金利となる4月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通りに据え置かれたが、市場では金融緩和の観測が根強い。一部の香港メディアは、政策金利や預金準備率が早期に引き下げられる可能性を報じている。
こうした中、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。香港市場が休場中(18日と21日)の外部環境に改善はみられなかった。前日の本土市場は中国の政策期待で反発したが、米中対立の警戒感が続いているだけに、買い進む動きも限定されよう。
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