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2024/05/30 08:46

神経質な値動きか、米金利高と人民元安が逆風 無料記事

◆30日の香港マーケットは、米金利高と人民元安を嫌気し神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。29日の米株市場は、米長期金利の上昇が投資家心理を冷やす展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.1%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と3日ぶりに反落している。米利下げ先送り観測が強まる中、米債券市場では米10年債利回りの上昇が続いた(一時、4週ぶりの高水準)。米連邦準備理事会(FRB)の関係者が相次いで利下げに慎重なスタンスを示したほか、FRBが公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、ほとんどの地区で経済活動が拡大していることが判明している。米半導体大手エヌビディア株が続伸し、連日で上場来高値を更新したことはハイテク株の支えとなったが、相場全体を押し上げるほどではなかった。ほか、ADR(米国預託証券)上場する中国銘柄もさえない。京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD/NASDAQ)や
阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)など主力株が売られた。
 一方、内部的も不安材料がある。中国の国家市場監督管理総局は29日、プラットフォーマーの価格設定や課金行為を規範化する方針を示した。プラットフォームを有する企業に対する監督強化が懸念されている。人民元安の進行も懸念材料。米金利の上昇を受け、29日の上海外国為替市場では、対米ドルの人民元が昨年11月以来の安値を付けた。
 ただ、中国景気の持ち直し期待が強まっていることはプラス。国際通貨基金(IMF)は29日、中国の2024年GDP(国内総生産)成長率予想を4月時点の4.6%から5.0%に0.4ポイント上方修正した。また、中国の財政部は29日、今年1〜4月の国有企業・国有持株会社の利益総額が前年同期比3.8%増の1兆3813億2000万人民元(約30兆6136億円)に拡大したと報告。増加率は1〜3月の2.8%から1.0ポイント拡大している。
 なお、中国ではあす31日に、5月の購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が発表される予定。市場コンセンサス予想では、製造業PMIが50.4→50.5、非製造業PMIが51.2→51.5に上向く見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。上述したように、米金利高と人民元安が嫌気されそうだ。ただ、中国景気の持ち直し期待が根強いだけに、下値を叩くような売りは出ないだろう。


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