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2020/06/09 08:58

米株高で買い先行か、新規材料に乏しい中で上値の重さも 無料記事

◆9日の香港マーケットは、米株高を好感し買いが先行しそうだが、新規材料に乏しいなかで上値も重そうだ。
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比1.7%高と6日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.1%高と続伸した。ナスダック指数は約3カ月半ぶりに過去最高値を更新している。5月の米雇用統計が先週公表され、予想外に大幅改善したことが引き続き支え。新型コロナウイルス感染拡大が深刻だったニューヨーク市では8日、予定通り経済活動が再開され、米経済の正常化が早まるとの見方も高まった。また、ニューヨーク連銀が8日発表した消費者調査では、新型コロナによる行動制限が緩和されたことで、家計や雇用について消費者がやや楽観的になっていることが判明している。
 一方、8日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.2%高と続伸。3月11日以来、約3カ月ぶりの高値水準を切り上げている。資金流出の警戒感が後退。中国人民銀行(中央銀行)は8日、人民元レートの対米ドル基準値を6日連続で元高方向に設定した。上海外国為替市場では、元高の勢いが強まっている。他方、週末7日に公表された5月の中国貿易統計は強弱感のある内容で着地した。人民元ベースで輸出は1.4%増(市場予想3.2%減)に上振れたものの、輸入が12.7%減(同3.8%減)と予想以上に落ち込んだ。製造業の回復が連想される半面、輸入低迷は内需の弱さを印象付けている。消費関連株などは売りに押された。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。人民元高の進行(9日朝方は4月30日以来の元高水準で推移)や、米ハイテク株高などはプラス材料となるものの、新規の買い材料には乏しい。また、指数は足元の上昇ピッチが速かったこともあり、売り圧力も意識される状況だ。


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