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2020/05/29 09:06

上値の重い展開か、米国の「対中制裁」を警戒 無料記事

◆29日の香港マーケットは、米国の「対中制裁」を警戒して上値の重い展開か。
 外部環境は不透明。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.6%安と3日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%安と4日ぶりにそれぞれ反落した。米中対立の激化を懸念。中国で28日、香港の統制を強化する「香港版国家安全法」の制定方針が全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)で採択された。これを受けトランプ米大統領は、中国に関する記者会見を29日に行うと発表。それより先、「トランプ政権は香港からの輸入品に適用している関税優遇措置を停止することを検討中」と関係者の話として伝わっている。また、香港法案を巡っては、英国と米国、オーストラリア、カナダの4カ国が28日、1984年の香港返還協定に違反するとして、中国の動きを非難する共同声明を発表した。米経済活動の正常化期待が高まるなか、指数はプラス圏でスタートしたものの、引けにかけて下げに転じている。
 一方、28日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.3%高と反発。政策期待の高まりが相場を支えた。今年の政策運営や経済成長率などの目標を示す中国の最重要会議、全人代は28日閉幕。今後、具体的な経済振興策が打ち出されるとの思惑が広がった。
 マーケットの引け後におこなわれた李克強首相の記者会見では、新型コロナウイルス感染拡大を発端にした経済対策費が総額6兆人民元(約90兆2700億円)規模に上ることが明らかにされた。うち、約7割が消費刺激、残りがインフラ投資に充てられる。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、米国の「対中制裁」が警戒される状況だ。人民元相場が安値圏で推移していることも、中国本土からの資金流出につながると懸念されよう。ただ、中国の政策で恩恵のある消費関連やインフラ関連の銘柄群は物色される可能性もありそうだ。


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