◆28日の香港マーケットは、中国経済対策の期待感で底堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は悪くない。27日の米株市場は、メモリアルデーの祝日で休場だった。英株市場もスプリング・バンク・ホリデーの祝日で休場だったが、場が開いていた欧州市場では、ドイツやフランスの主要株価指数が堅調。欧州中央銀行（ECB）理事会のメンバー、ビルロワドガロー仏中銀総裁が27日、6月と7月のECB会合で利下げする可能性に言及したことが材料視された。
　内部環境も安定的。中国政府が経済対策を強める中、景気が持ち直すと期待されている。27日朝に公表された4月の工業企業利益は前年同月比で4.0％増となり、3月の3.5％減から上向いた。経済政策では、IC産業振興に向けた新たな国策ファンドの立ち上げがポジティブ。国家集成電路産業投資基金（通称「大基金」）の第3期ファンドで、登録資本は過去最大の3440億人民元（約7兆4500億円）に上る。人工知能（AI）産業に不可欠な半導体の供給網（サプライチェーン）を早期に構築する狙いだ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅く推移か。中国と西側諸国の対立などは懸念材料としてくすぶるものの、中国の経済対策に対する期待感が引き続き相場の支えとなろう。


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