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2024/07/12 08:50

買い先行か、米利下げ前倒し観測が追い風 無料記事

◆12日の香港マーケットは、米利下げ観測の高まりを好感した買いが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には好材料がある。中でも、米利下げ前倒し観測がポジティブだ。米インフレの鈍化基調を受け、JPモルガンのエコノミストらは、米利下げ開始時期が従来の11月から9月に早まると予想した。11日に報告された6月の米消費者物価指数は(CPI)は、前月比で0.1%低下(予想は0.1%上昇)。マイナスに転じたのは2020年5月以来となる。前年同月比では3.3%上昇にとどまり、21年4月以来の低水準となった。米債券市場では米10年債利回りが急低下し、一時は3月中旬以来の低水準を付けている。
 他方、米株マーケットはまちまち。金利低下にもかかわらず、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は2.0%安と8日ぶりに急反落している。前日まで7日連続で史上最高値を更新していただけに、CPIの発表をきっかけに利益確定売りが広がった。半面、主要指標のNYダウは前日比0.1%高と続伸。景気敏感株の一角などが買われ、相場を支えた。ADR(米国預託証券)上場する中国銘柄もしっかり。中国企業のADRで構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が2.2%上昇している。小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)や京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ) 、百度集団(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)などの上げが目立った。
 一方、中国では指標発表が集中。きょう12日に6月の貿易統計、15日に6月の小売売上高や鉱工業生産などのほか、第2四半期のGDP成長率、15日までに6月の金融統計が予定されている。貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前年同月比8.0%増(前月は7.6%増)、輸入が2.5%増(前月は1.8%増)に加速するとの見方がコンセンサスだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買い先行か。米ハイテク株安や中国と西側諸国の対立など不安材料はあるが、米金利引き下げ観測が投資家心理を上向かせよう。昨夜の外国為替市場で、対米ドルの人民元高が進んだこともプラスとなる。また、本土市場については、空売り規制など市場テコ入れ策の期待も続きそうだ。


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