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2025/03/25 08:58

神経質な値動きか、企業業績動向を注視 無料記事

◆25日の香港マーケットは、中国企業の業績動向をにらみながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。貿易戦争のエスカレートに対する警戒感は薄れつつあるものの、米中対立の不安はくすぶっている。トランプ米大統領は24日、4月2日に発動を予定する貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」について、多くの国を関税免除の対象とする可能性があると述べた。また、外電が米政府関係の話として、「自動車など特定の産業を対象とした関税賦課は2日の発表を先送りする方向」と報じている。一方、トランプ氏は同日、ベネズエラからの移民問題を背景に、同国産の石油・ガスを購入した国からの輸入品に対して25%の追加関税を課すと表明。調査会社によると、ベネズエラ産石油の主な購入国は中国やインドだという。
 24日の米株市場は、「トランプ関税」を巡る過度な懸念が後退し、主要指標のNYダウが前営業日比1.4%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.7%高とそろって続伸した。S&Pグローバルが24日公表した3月の購買担当者景気指数(PMI)速報値で、サービス業の景況感が予想外に改善したことも相場を押し上げる一因となっている。
 半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.02%安と小幅ながら5日続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が5.1%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.7%安、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が1.9%安と下げが目立っている。
 米債券市場では、米10年債利回りの上昇が継続(債券価格は続落)。米高関税政策の警戒感が薄らいだことや、米景況感の改善が債券売りにつながった。
 商品相場は、WTI原油先物が1.2%高と続伸する一方、金先物が0.2%安と続落している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅が上昇しアルミが下落するなど主要産品がまちまちだった。
 内部的には、企業決算に注目が集まる。香港では主要企業の期末決算報告が佳境入り。きょう25日は万洲国際(288/HK)や薬明生物技術(2269/HK)、申洲国際集団HD(2313/HK)、快手科技(1024/HK)、恒安国際集団(1044/HK)、海底撈国際HD(6862/HK)、華能国際電力(902/HK)、昆侖能源(135/HK)、華潤置地(1109/HK)、中国電信(728/HK)、農夫山泉(9633/HK)、招商銀行(3968/HK)、26日は中国南方航空(1055/HK)や中国蒙牛乳業(2319/HK)、中信証券(6030/HK)、網龍網絡HD(777/HK)、中国銀行(3988/HK)、中銀香港(2388/HK)、中国アルミ(2600/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、中遠海運能源運輸(1138/HK)、東風汽車集団(489/HK)、新奥能源HD(2688/HK)、27日は江西銅業(358/HK)や北京首都国際機場(694/HK)、碧桂園服務HD(6098/HK)、華虹半導体(1347/HK)、中国通信服務(552/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、中国海洋石油(883/HK)、創維集団(751/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国建材(3323/HK)、李寧(2331/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、イ柴動力(2338/HK)、永利澳門(1128/HK)などが予定されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。引き続き、企業業績の動向に着目した売買が活発化しそうだ。比亜迪(BYD:1211/HK)が34%増益、舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー:2382/HK)が146%増益、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が20%増益でそれぞれ予想を上回っている。


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