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2024/05/29 08:45

神経質な値動きか、米利下げ先送り観測が重し 無料記事

◆29日の香港マーケットは、米利下げ先送り観測を嫌気し神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。休場明け28日の米株市場は、好悪材料が入り混じる中でまちまちの展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.6%安と反落。約3週ぶりの安値を付けた。米金利高がマイナス材料。米利下げが先送りされるとの見方が広がり、米債券市場では米10年債利回りが約4週ぶりの水準に上昇している。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は28日、「インフレ鈍化の兆候が明らかになるまで利下げを急ぐ必要はなく、利上げの選択肢もありうる」とメディアインタビューに答えた。また、5月の米消費者信頼感指数が予想外に上昇したことも、インフレ高止まりを連想させている。
 他方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.6%高と続伸し、連日で史上最高値を更新した。主力半導体株の上昇がハイテク株全体の支えとなっている。人工知能(AI)投資が加速するとの観測が根強い中、米半導体大手エヌビディア株は7.1%高と大幅に3日続伸。連日で上場来高値を更新した。同社が22日に公表した決算と業績見通しは予想を大幅に上回り、株価は3営業日でおよそ20%上昇している。
 一方、内部的には指標発表が気がかり。今週31日に、5月の購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が発表される。市場コンセンサス予想では、製造業PMIが50.4→50.5、非製造業PMIが51.2→51.5に上向く見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の経済対策に対する期待感や、米半導体株の上昇は支えになりそうだが、米利下げの先送り観測が重しとなりそうだ。米金利の上昇を背景に、対米ドルで人民元安が進んでいることもネガティブ。中国からの資金流出も警戒される。また、中国と西側諸国の対立なども懸念材料として意識されそうだ。


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