◆週明け27日の香港マーケットは、米ハイテク株高を手がかりにしっかりとした展開となろう。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定しつつある。24日の米株市場は、半導体株の物色が相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.01％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.10％高と3日ぶりに反発している。ナスダック指数は史上最高値を更新した。人工知能（AI）ブームをリードする米半導体大手エヌビディア株は、好決算と強気な見通しが引き続き好感され2.6％高と続伸（前日は9.3％高）。フィラデルフィア半導体株指数（SOX）は1.9％上昇し、主要指数をアウトパフォームしている。ナスダック指数と同様に、最高値を切り上げた。インフレ高止まりの警戒感もやや薄らぐ。米ミシガン大学が発表した5月の消費者信頼感指数（確報値）は速報値から上方修正されたものの、5カ月ぶりの低水準となり、1年先の期待インフレ率は速報値の3.5％から3.3％に低下した。
　一方、内部的には目立った手がかりがない。中国政府は景気支援スタンスを強めているとはいえ、いったん出尽くした感もある。また、中国では本日朝方（日本時間10時半ごろ）に4月の工業企業利益、31日に製造業PMI（国家統計局などが集計）などが公表される予定だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米ハイテク株高が好感されそうだ。ただ、指標発表は気がかり。3月の工業企業利益は前年同月比で3.5％減少していたが、改善がみられなかった場合、売り材料として意識される恐れもある。


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