2025/08/20 09:01
上値の重い展開か、米金融政策が気がかり 
◆20日の香港マーケットは、米金融政策の見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が気がかり材料だ。パウエル氏は22日、カンザスシティ連銀主催のジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)で講演する。足もとの労働市場軟化を受け、9月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定されることは確実視されているが、その後の金融政策動向が見通せない。議長講演で手がかりが示されるかが焦点だ。
19日の米株市場は上値の重い展開。主要指標のNYダウは反発したが、上昇率は前日比0.02%にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.45%安と反落している。個別では、住宅リフォームのホーム・デポが3.2%上昇し、ダウ平均の支えとなった。2025年5〜7月期決算で売上高が市場予想を下回ったものの、26年1月通期の見通しを据え置いたことが買い安心感につながっている。一方、このところ上昇が目立っていたエヌビディアやマイクロソフトなど主力ハイテク株は下落し、ナスダック指数の下げ要因となった。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.9%安と3日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、微博(ウェイボー:WB/NASDAQ、9898/HK)が6.1%安、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が4.8%安、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が2.8%安と下げが目立っている。
内部環境には好材料と悪材料が交錯。中国経済の鈍化が懸念される中、当局が景気支援スタンスを強めていることはプラスだ。李強・首相は18日、消費促進や住宅市場安定に注力し、経済成長を維持していく方針を改めて表明。今年の成長目標「5.0%前後」を達成することに努めると強調している。それより先、中国人民銀行(中央銀行)は15日、四半期金融政策報告書を公表。ハイテクと消費分野の成長支援を強化する方針が示された。一方、金利高の懸念はくすぶる。香港では住宅ローン金利基準のひとつとなる香港銀行間取引金利(HIBOR)1カ月物が19日まで連日で急上昇し、中国では10年国債利回りが18日、4月2日以来の高水準に達した。資金調達コストの高止まりも不安視されている。
なお、中国ではきょう20日(日本時間10時ごろ)、実質的な政策金利となる8月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される予定。市場コンセンサスでは銀行貸出の指標となる1年物LPRが3.00%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが3.50%と3カ月連続で据え置かれる見通しだ。中国人民銀行(中央銀行)は利下げを急がないとの見方が続いている。
そのほか、香港上場企業の中間決算報告が本格化。きょう20日は香港交易所(388/HK)や百度集団(9888/HK)、金山軟件(3888/HK)、恒基兆業地産(12/HK)、香港中華煤気(3/HK)、永利澳門(1128/HK)などが予定されている。前日引け後に発表された決算では、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)や薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)、泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ:9992/HK)などが市場予想を上回った。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の政策に対する期待感などが支えになるものの、米金融政策を見極めたいとするスタンスが買い手控えにつながりそうだ。企業決算の発表が続く中、目先は業績動向に着目した物色となろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が気がかり材料だ。パウエル氏は22日、カンザスシティ連銀主催のジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)で講演する。足もとの労働市場軟化を受け、9月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定されることは確実視されているが、その後の金融政策動向が見通せない。議長講演で手がかりが示されるかが焦点だ。
19日の米株市場は上値の重い展開。主要指標のNYダウは反発したが、上昇率は前日比0.02%にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.45%安と反落している。個別では、住宅リフォームのホーム・デポが3.2%上昇し、ダウ平均の支えとなった。2025年5〜7月期決算で売上高が市場予想を下回ったものの、26年1月通期の見通しを据え置いたことが買い安心感につながっている。一方、このところ上昇が目立っていたエヌビディアやマイクロソフトなど主力ハイテク株は下落し、ナスダック指数の下げ要因となった。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.9%安と3日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、微博(ウェイボー:WB/NASDAQ、9898/HK)が6.1%安、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が4.8%安、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が2.8%安と下げが目立っている。
内部環境には好材料と悪材料が交錯。中国経済の鈍化が懸念される中、当局が景気支援スタンスを強めていることはプラスだ。李強・首相は18日、消費促進や住宅市場安定に注力し、経済成長を維持していく方針を改めて表明。今年の成長目標「5.0%前後」を達成することに努めると強調している。それより先、中国人民銀行(中央銀行)は15日、四半期金融政策報告書を公表。ハイテクと消費分野の成長支援を強化する方針が示された。一方、金利高の懸念はくすぶる。香港では住宅ローン金利基準のひとつとなる香港銀行間取引金利(HIBOR)1カ月物が19日まで連日で急上昇し、中国では10年国債利回りが18日、4月2日以来の高水準に達した。資金調達コストの高止まりも不安視されている。
なお、中国ではきょう20日(日本時間10時ごろ)、実質的な政策金利となる8月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される予定。市場コンセンサスでは銀行貸出の指標となる1年物LPRが3.00%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが3.50%と3カ月連続で据え置かれる見通しだ。中国人民銀行(中央銀行)は利下げを急がないとの見方が続いている。
そのほか、香港上場企業の中間決算報告が本格化。きょう20日は香港交易所(388/HK)や百度集団(9888/HK)、金山軟件(3888/HK)、恒基兆業地産(12/HK)、香港中華煤気(3/HK)、永利澳門(1128/HK)などが予定されている。前日引け後に発表された決算では、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)や薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)、泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ:9992/HK)などが市場予想を上回った。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の政策に対する期待感などが支えになるものの、米金融政策を見極めたいとするスタンスが買い手控えにつながりそうだ。企業決算の発表が続く中、目先は業績動向に着目した物色となろう。
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