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2025/09/03 08:39

底堅い展開か、中国軍事パレード開催で相場安定化期待も 無料記事

◆3日の香港マーケットは、中国の相場安定化期待で底堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。休場明けの米株安がマイナス材料だ。レーバーデー休場明けとなった2日の米株市場は、米財政懸念が強まり、主要指標のNYダウが前営業日比0.5%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8%安とそろって続落している。「トランプ関税」を巡り、2審にあたる米連邦巡回区控訴裁判所は8月29日、相互関税などが憲法違反だとした1審の判決を支持。トランプ米大統領はこれを受け、9月3日にも連邦最高裁に上訴する方針を示した。違憲判断が確定すれば、関税収入はなくなり、これまでに徴収した関税も返還する必要が出てくる。財政の悪化が警戒される中、米債券市場では長期金利の指標となる10年債利回りが上昇した(債券価格は続落)。
 半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.6%高と続伸している。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が4.5%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が3.1%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が2.6%高と上げが目立った。
 内部環境はそれほど悪くない。新規の取引材料には乏しいものの、中国の政策に対する期待感は持続している。また、金利の低い銀行預金から、投資マネーが株式などリスク資産に還流しているとの観測も相場の先高観を意識させる状況だ。
 当局が相場を安定させるとの思惑も強まっている。中国ではきょう3日、抗日戦争勝利80年を記念する軍事パレードが行われる予定。中国政府にとって重要な政治イベントとなるため、株価急落などで水が差されないよう、株式相場を支えるとの見方だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅い展開か。昨夜の米株安は重しだが、当局が相場を支えるとの期待が続いている。前日の中国株マーケットは反落したが、金融やエネルギーなどの大型株に買いが入り、下値は限定的だった。また、来週8〜12日に全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議が開催される見通しと伝っていることもプラス。政策期待が高まる可能性もある。


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