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2025/03/06 09:04

買い継続か、内外環境が改善 無料記事

◆6日の香港マーケットは、内外環境の改善で買い継続か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややポジティブ。米高関税政策を巡る過度な警戒感が薄らいだほか、米経済成長の下振れリスクもやや後退している。米政権が4日に発動した関税措置に関し、ホワイトハウスの報道官は5日の記者会見で、カナダとメキシコに課した25%関税のうち、自動車は1カ月免除することを明らかにした。また、米経済統計では、雇用指標が弱かったものの、景況感は改善。2月のADP全米雇用リポートでは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が予想を下回り、昨年7月以来の低い伸びにとどまった。一方、米サプライマネジメント協会(ISM)が5日公表した2月の非製造業景況感指数(PMI)は低下予想に反して上昇し、同月のサービス業PMIも51.0(改定値)と、予想外に速報値(49.7)から上方修正している。
 5日の米株市場は、投資家心理が上向き、主要指標のNYダウが前日比1.4%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%高とそれぞれ3日ぶりに反発した。自動車株や、主力ハイテク株に買いが入っている。
 中国銘柄は急伸。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は6.4%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が10.2%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が8.6%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が6.9%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が7.1%高と上げが目立っている。
 米債券市場では、米10年債利回りの上昇が続き、2月25日以来の高い水準を付けた(債券は続落)。米景況感の改善などを受け、安全資産としての債券に売り圧力が強まっている。欧州の主要国でも金利は上昇した。
 商品相場は、WTI原油先物が2.9%安と4日続落し、2023年5月以来の安値を付けた。一方、金先物は0.2%高と3日続伸し、史上最高値に接近している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇した。
 内部環も良好。中国政府の政策スタンスが好材料だ。各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が5日開幕し、李強・首相が冒頭で読み上げた「政府活動報告」では、今年の国内総生産(GDP)成長率目標を24年と同水準の「5.0%前後」とする方針が示されている。財政赤字の比率はGDP比で4.0%とし、昨年に設定した3.0%から引き上げられた。外部環境の不確実性が増す中で、消費を押し上げ、内需を拡大させることを重点項目に挙げている。また、不動産・株式市場の健全な発展に注力するほか、AI(人工知能)技術の活用を通じ、各産業分野でイノベーションを進めることにも言及した。
 中国景気の先行きも楽観。今月初めまでに官民で公表された2月の景況感指数は、製造業と非製造業(サービス業)がそろって上向いた。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは内外環境の改善で買いが継続しそうだ。昨夜の米株が反発したことや、中国経済対策の期待感が引き続き支えとなろう。


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