2025/08/22 08:56
上値の重い展開か、米金融政策が不透明 
◆22日の香港マーケットは、米金融政策の不透明感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。米利下げ期待が後退している。連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月29〜30日開催分)がタカ派(引き締めに積極的)寄りだったとの見方が優勢だったことや、足もとの経済指標が堅調だったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを急がないとの観測が強まった。S&Pグローバルが21日発表した8月の米購買担当者景気指数(PMI,速報値)は55.4と、8カ月ぶりの高水準で予想も上回っている。米金利先物市場の値動きから算出するCMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)によると、FRBが9月のFOMCで0.25%利下げする確率が前日の82%から73%に低下した(今月14日は100%だった)。21日の米債券市場では、米10年債利回りが上昇に転じている(債券価格は3日ぶり反落)。
パウエルFRB議長講演も気がかり。カンザスシティ連銀主催のジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)は21日に開幕し、パウエル議長は22日に講演する。今後の金融政策動向に対する見解が注目だ。
21日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.3%安と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%安と3日続落している。ほか、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は0.4%安と5日続落した。パウエルFRB議長会見を前に様子見ムードが漂ったほか、小売大手のさえない決算も逆風となっている。ウォルマートの5〜7月期決算は利益が3年ぶりに予想を下回り、株価は4.5%安と急落した。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.4%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が11.7%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が9.2%高と急伸している。新興電気自動車(EV)メーカー小鵬汽車については、同社の何小鵬・董事長兼CEO(最高経営責任者)が株式を新規に購入したことが判明し、保有株比率が上昇したことを材料視した。同社が19日に報告した4〜6月期決算は赤字が縮小し、予想も上回っている。
一方、中国に新規の取引材料は乏しい。景気鈍化の警戒感と、経済対策の期待感が交錯する状況だ。また、香港上場企業の決算報告が佳境に入っている。きょう22日は中国中車(1766/HK)やTCL電子HD(1070/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、万科企業(2202/HK)、東風汽車集団(489/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)、石薬集団(1093/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、金風科技(2208/HK)、国薬HD(1099/HK)、中国中車(1766/HK)など発表する予定だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。好業績銘柄の物色などは支えになりそうだが、米金融政策の不透明感が逆風となる。パウエル議長講演を今夜(日本時間)に控え、積極的な売買も見送られそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。米利下げ期待が後退している。連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月29〜30日開催分)がタカ派(引き締めに積極的)寄りだったとの見方が優勢だったことや、足もとの経済指標が堅調だったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを急がないとの観測が強まった。S&Pグローバルが21日発表した8月の米購買担当者景気指数(PMI,速報値)は55.4と、8カ月ぶりの高水準で予想も上回っている。米金利先物市場の値動きから算出するCMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)によると、FRBが9月のFOMCで0.25%利下げする確率が前日の82%から73%に低下した(今月14日は100%だった)。21日の米債券市場では、米10年債利回りが上昇に転じている(債券価格は3日ぶり反落)。
パウエルFRB議長講演も気がかり。カンザスシティ連銀主催のジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)は21日に開幕し、パウエル議長は22日に講演する。今後の金融政策動向に対する見解が注目だ。
21日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.3%安と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%安と3日続落している。ほか、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は0.4%安と5日続落した。パウエルFRB議長会見を前に様子見ムードが漂ったほか、小売大手のさえない決算も逆風となっている。ウォルマートの5〜7月期決算は利益が3年ぶりに予想を下回り、株価は4.5%安と急落した。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.4%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が11.7%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が9.2%高と急伸している。新興電気自動車(EV)メーカー小鵬汽車については、同社の何小鵬・董事長兼CEO(最高経営責任者)が株式を新規に購入したことが判明し、保有株比率が上昇したことを材料視した。同社が19日に報告した4〜6月期決算は赤字が縮小し、予想も上回っている。
一方、中国に新規の取引材料は乏しい。景気鈍化の警戒感と、経済対策の期待感が交錯する状況だ。また、香港上場企業の決算報告が佳境に入っている。きょう22日は中国中車(1766/HK)やTCL電子HD(1070/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、万科企業(2202/HK)、東風汽車集団(489/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)、石薬集団(1093/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、金風科技(2208/HK)、国薬HD(1099/HK)、中国中車(1766/HK)など発表する予定だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。好業績銘柄の物色などは支えになりそうだが、米金融政策の不透明感が逆風となる。パウエル議長講演を今夜(日本時間)に控え、積極的な売買も見送られそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。