2025/03/07 09:01
売り先行か、米ハイテク株安が逆風 
◆7日の香港マーケットは、米ハイテク株安を嫌気し売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境には不安材料がある。米雇用情勢の悪化や、米関税政策の不透明感がマイナスだ。米就職あっせん企業チャレンジャーが6日発表した調査によると、2月に米企業や政府機関が明らかにした人員削減数が17万人超に上り、1月から約3.5倍に急増。米経済をけん引する個人消費の伸び悩みが懸念された。トランプ米政権の関税政策を巡っては、方針が二転三転し、方向性が見いだせない。カナダとメキシコに課した25%関税のうち、自動車を1カ月免除すると発表したことに続き、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に適合していれば、他のモノやサービスも猶予すると米商務長官が発言。一方、トランプ米大統領は鉄鋼・アルミニウムの25%関税は予定通り12日に導入すると述べた。サプライチェーン(供給網)が混乱すると懸念されている。
6日の米株市場は、投資家心理が再び弱気に傾き、主要指標のNYダウが前日比1.0%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.6%安とそれぞれ反落。ナスダック指数は昨年10月上旬以来の安値に落ち込んだ。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4.5%下落し、他の主要指数をアンダーパフォームしている。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.8%安と3日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が3.9%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.5%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.4%安と下げが目立っている。半面、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)は0.4%高と小幅ながら続伸。2024年通期決算が71%増益となり、買い安心感を誘った。
米債券市場では、米10年債利回りがほぼ横ばい。一貫性のない米関税政策を受け、方向感が乏しかった。
商品相場は、WTI原油先物が0.1%高と5日ぶりの小反発。前日は2023年5月以来の安値を付けたとあって、値ごろ感が着目されている。金先物は0.6米ドル高とわずかながら4日続伸したが、上値は重かった。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇している。
一方、内部環境はポジティブ。中国の金融当局者は6日、相次ぎ経済支援のスタンスを示した。中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・総裁は6日、適切な時期に政策金利や預金準備率の引き下げを行う考えを改めて表明。財政部の藍仏安・部長は同日、中国政府には財政政策の手段と余地が十分にあると強調したうえで、成長鈍化の兆しがあれば必要な追加刺激策を実施する可能性を示唆した。各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は5日開幕し、11日に閉幕する。政府関係者などの発言に引き続き注目だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行しそうだ。中国の政策期待は支えになりそうだが、米ハイテク株安がマイナス材料となる。また、前日のハンセン指数は大幅上昇し、約3年1カ月ぶりの高値を付けたこともあり、売り圧力も意識されよう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境には不安材料がある。米雇用情勢の悪化や、米関税政策の不透明感がマイナスだ。米就職あっせん企業チャレンジャーが6日発表した調査によると、2月に米企業や政府機関が明らかにした人員削減数が17万人超に上り、1月から約3.5倍に急増。米経済をけん引する個人消費の伸び悩みが懸念された。トランプ米政権の関税政策を巡っては、方針が二転三転し、方向性が見いだせない。カナダとメキシコに課した25%関税のうち、自動車を1カ月免除すると発表したことに続き、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に適合していれば、他のモノやサービスも猶予すると米商務長官が発言。一方、トランプ米大統領は鉄鋼・アルミニウムの25%関税は予定通り12日に導入すると述べた。サプライチェーン(供給網)が混乱すると懸念されている。
6日の米株市場は、投資家心理が再び弱気に傾き、主要指標のNYダウが前日比1.0%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.6%安とそれぞれ反落。ナスダック指数は昨年10月上旬以来の安値に落ち込んだ。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4.5%下落し、他の主要指数をアンダーパフォームしている。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.8%安と3日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が3.9%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.5%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.4%安と下げが目立っている。半面、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)は0.4%高と小幅ながら続伸。2024年通期決算が71%増益となり、買い安心感を誘った。
米債券市場では、米10年債利回りがほぼ横ばい。一貫性のない米関税政策を受け、方向感が乏しかった。
商品相場は、WTI原油先物が0.1%高と5日ぶりの小反発。前日は2023年5月以来の安値を付けたとあって、値ごろ感が着目されている。金先物は0.6米ドル高とわずかながら4日続伸したが、上値は重かった。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇している。
一方、内部環境はポジティブ。中国の金融当局者は6日、相次ぎ経済支援のスタンスを示した。中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・総裁は6日、適切な時期に政策金利や預金準備率の引き下げを行う考えを改めて表明。財政部の藍仏安・部長は同日、中国政府には財政政策の手段と余地が十分にあると強調したうえで、成長鈍化の兆しがあれば必要な追加刺激策を実施する可能性を示唆した。各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は5日開幕し、11日に閉幕する。政府関係者などの発言に引き続き注目だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行しそうだ。中国の政策期待は支えになりそうだが、米ハイテク株安がマイナス材料となる。また、前日のハンセン指数は大幅上昇し、約3年1カ月ぶりの高値を付けたこともあり、売り圧力も意識されよう。
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