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2025/03/03 08:54

しっかりか、中国景況感が改善 無料記事

◆週明け3日の香港マーケットは、中国景況感の改善が好感される流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には好悪材料が入り混じる。まず、米長期金利の低下はプラスだ。2月28日の米債券市場では、インフレの鈍化傾向を受け、米利下げ期待が高まり、米10年債利回りは昨年12月上旬以来の水準に低下している。米商務省が公表した1月の米個人消費支出(PCE)コア指数(食品とエネルギーを除く)は前年比プラス2.6%となり、予想通り12月のプラス2.8%から鈍化。米連邦準備制度理事会(FRB)は6月にも、利下げを再開するとの見方が広がった。一方、東欧地域の地政学リスクがくすぶっていることはマイナス。トランプ米大統領は28日、ウクライナのゼレンスキー大統領とロシア・ウクライナ戦争の停戦について会談したが、両者は激しい口論となり、予定されていた共同会見も中止となった。
 28日の米株市場は、米長期金利の低下を手がかりに、主要指標のNYダウが前日比1.4%高と3日ぶりに急反発。ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.6%高と反発した。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.8%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が3.7%安、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が3.5%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が3.3%安と下げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が0.8%安と反落し、金先物が1.6%安と続落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が全面安となった。
 一方、内部環境は悪くない。経済対策の期待感が続いている。中国では今週5日、各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕する。一部のエコノミストは、景気浮揚のため、追加の消費刺激策が打ち出されると予想している。景況感の改善もプラス。1日に発表された2月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は50.2と市場予想を上回り、景況判断の境目となる50を再び上回った。
 なお、本日の取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、民間集計による2月の財新中国製造業PMIが公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、1月の50.1から50.4に上向く見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。米国の対中強硬路線は引き続き懸念材料となるが、中国景況感の改善が投資家心理の支えとなろう。米長期金利の低下や、中国経済対策の期待感も追い風だ。


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