2025/03/12 08:46 NEW!!
下値の堅い展開か、中国経済政策に期待感 
◆12日の香港マーケットは、中国の政策期待で下値の堅い展開か展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は依然として不透明。「トランプ関税」に端を発した貿易戦争で、世界経済に下押し圧力がかかると不安視されている。トランプ米政権は12日、鉄鋼・アルミニウム製品などに25%の追加関税を発動する見通しだ。中国やカナダなどは報復措置を打ち出している。うちカナダに関しては、米国に輸出する電力に25%の割増料金を適用。その後、トランプ大統領はカナダ産の鉄鋼・アルミニウム製品に50%の関税を課すと発言した。ただ、その後にカナダ側が電力輸出の追加料金徴収を停止したことを受け、トランプ氏は追加関税の停止を示唆している。世界のマーケットは、「トランプ関税」に翻弄される状況だ。
11日の米株市場は、米高関税政策による景気懸念が続き、主要指標のNYダウが前日比1.1%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%安と続落した。それぞれ昨年9月以来の安値を付けている。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.8%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が17.0%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が14.8%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が11.0%高と上げが目立っている。
米債券市場では、米10年債利回りが上昇に転じた(債券は反落)。ロシアとウクライナの戦争を巡り、米国が提示した30日間の停戦案をウクライナが受け入れたと伝わり、安全資産としての債券が売られている。
商品相場は、WTI原油先物が0.3%安と反落する一方、金先物は0.7%高と3日ぶりに反発。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み上昇した。
一方、内部環境は安定的。中国のデフレ圧力は気がかりだが、経済対策に対する期待感の高まりがプラスだ。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が11日に閉幕し、今年の成長目標「5%前後」とすることや、対GDP財政赤字比率を4%に引き上げる(昨年は3%)ことなどが承認されている。景気浮揚のため、積極的な財政出動で内需を拡大する方針も示された。そのほか、AI(人工知能)技術の研究や先端半導体の国産を推進するため、科学技術予算は前年比で10%増加されている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。全人代が閉幕したことで、今後は具体的な景気支援策が発表される見通しだ。また、米中関係を巡っては、トランプ米大統領が4月にも訪中し、習近平・国家主席と会談する可能性があると香港メディアが報道。通商対立の緩和も期待される。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は依然として不透明。「トランプ関税」に端を発した貿易戦争で、世界経済に下押し圧力がかかると不安視されている。トランプ米政権は12日、鉄鋼・アルミニウム製品などに25%の追加関税を発動する見通しだ。中国やカナダなどは報復措置を打ち出している。うちカナダに関しては、米国に輸出する電力に25%の割増料金を適用。その後、トランプ大統領はカナダ産の鉄鋼・アルミニウム製品に50%の関税を課すと発言した。ただ、その後にカナダ側が電力輸出の追加料金徴収を停止したことを受け、トランプ氏は追加関税の停止を示唆している。世界のマーケットは、「トランプ関税」に翻弄される状況だ。
11日の米株市場は、米高関税政策による景気懸念が続き、主要指標のNYダウが前日比1.1%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%安と続落した。それぞれ昨年9月以来の安値を付けている。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.8%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が17.0%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が14.8%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が11.0%高と上げが目立っている。
米債券市場では、米10年債利回りが上昇に転じた(債券は反落)。ロシアとウクライナの戦争を巡り、米国が提示した30日間の停戦案をウクライナが受け入れたと伝わり、安全資産としての債券が売られている。
商品相場は、WTI原油先物が0.3%安と反落する一方、金先物は0.7%高と3日ぶりに反発。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み上昇した。
一方、内部環境は安定的。中国のデフレ圧力は気がかりだが、経済対策に対する期待感の高まりがプラスだ。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が11日に閉幕し、今年の成長目標「5%前後」とすることや、対GDP財政赤字比率を4%に引き上げる(昨年は3%)ことなどが承認されている。景気浮揚のため、積極的な財政出動で内需を拡大する方針も示された。そのほか、AI(人工知能)技術の研究や先端半導体の国産を推進するため、科学技術予算は前年比で10%増加されている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。全人代が閉幕したことで、今後は具体的な景気支援策が発表される見通しだ。また、米中関係を巡っては、トランプ米大統領が4月にも訪中し、習近平・国家主席と会談する可能性があると香港メディアが報道。通商対立の緩和も期待される。
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