2025/08/28 08:53 NEW!!
上値の重い展開か、決算発表後のエヌビディア株下落が逆風 
◆28日の香港マーケットは、エヌビディア株の下落を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境には不安材料がある。中でも、決算発表した半導体大手エヌビディアの株価が時間外取引で下落していることがネガティブ。同社が27日の取引終了後に報告した2025年5〜7月期決算は市場予想を上回る増収増益だったが、主力事業のデータセンター部門は売上が予想に届かず、中国事業の不確実性もくすぶったままだ。米ナスダック先物も下落し、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体銘柄が連れ安している。米中通商協議も気がかり材料だ。ベッセント米財務長官は27日、中国との貿易協議は10月末か11月初めに再開するとしたうえで、両国の関係は「非常に複雑」だと指摘。協議の難航さを示唆した。足もとでは、米政府が27日、ロシア制裁の一環として、同国産の原油を輸入しているインドに対し25%の追加関税(最大合計50%)を発動。ロシア産原油は中国も輸入している。
27日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%高とそろって続伸。9月の米利下げが意識される中、米長期金利が下落し、相場を支えた。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.6%安と6日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が8.3%安、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が6.7%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が5.4%安と下げが目立った。
内部環境もやや不透明。相場の過熱感が意識される状況だ。中国株マーケットはこのところ商いを伴い上昇基調を強め、ハンセン指数は約3年10カ月ぶり、上海総合指数は約10年ぶりの高値水準で推移している。本土市場では時価総額がここ1カ月余りでおよそ1兆米ドル(約147兆円)も増加。一部の証券会社やファンドは、融資抑制や購入制限に踏み切っている。
中国の景気回復の腰折れが懸念材料だ。27日に発表された中国工業企業の利益総額は今年1〜7月に前年同期比1.7%減となり、1〜6月の1.8%減から減少幅がやや縮小したものの、マイナス基調は続いている。今月15日に公表された経済指標でも、7月の小売売上高や鉱工業生産、1〜7月の固定資産投資などが予想以上に前回から伸びが縮小。1〜7月の不動産開発投資は12.0%減と、下げが加速した(1〜6月は11.2%減)。ただ、当局は景気押し上げに向け、経済対策を強めるとの期待は根強い。当局はこのところ、不動産支援や消費刺激、過当競争是正など景気対策を相次ぎ打ち出している。
一方、香港上場する主要企業の決算は週内に出揃う。きょう28日は馬鞍山鋼鉄(323/HK)や江西銅業(358/HK)、中信証券(6030/HK)、網龍網絡HD(777/HK)、北京HD(392/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、携程集団(9961/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国南方航空(1055/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、第一トラクター(38/HK)、理想汽車(2015/HK)、創維集団(751/HK)、中国建材(3323/HK)、大唐国際発電(991/HK)、東方電気(1072/HK)、華虹半導体(1347/HK)、澳門博彩HD(880/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、中升集団HD(881/HK)、中興通訊(763/HK)などが報告する予定だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。エヌビディア株の下落が投資家心理を圧迫しよう。また、証券会社などが相場の過熱感を抑える動きに出ていることも、冷や水となる恐れがある。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境には不安材料がある。中でも、決算発表した半導体大手エヌビディアの株価が時間外取引で下落していることがネガティブ。同社が27日の取引終了後に報告した2025年5〜7月期決算は市場予想を上回る増収増益だったが、主力事業のデータセンター部門は売上が予想に届かず、中国事業の不確実性もくすぶったままだ。米ナスダック先物も下落し、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体銘柄が連れ安している。米中通商協議も気がかり材料だ。ベッセント米財務長官は27日、中国との貿易協議は10月末か11月初めに再開するとしたうえで、両国の関係は「非常に複雑」だと指摘。協議の難航さを示唆した。足もとでは、米政府が27日、ロシア制裁の一環として、同国産の原油を輸入しているインドに対し25%の追加関税(最大合計50%)を発動。ロシア産原油は中国も輸入している。
27日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%高とそろって続伸。9月の米利下げが意識される中、米長期金利が下落し、相場を支えた。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.6%安と6日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が8.3%安、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が6.7%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が5.4%安と下げが目立った。
内部環境もやや不透明。相場の過熱感が意識される状況だ。中国株マーケットはこのところ商いを伴い上昇基調を強め、ハンセン指数は約3年10カ月ぶり、上海総合指数は約10年ぶりの高値水準で推移している。本土市場では時価総額がここ1カ月余りでおよそ1兆米ドル(約147兆円)も増加。一部の証券会社やファンドは、融資抑制や購入制限に踏み切っている。
中国の景気回復の腰折れが懸念材料だ。27日に発表された中国工業企業の利益総額は今年1〜7月に前年同期比1.7%減となり、1〜6月の1.8%減から減少幅がやや縮小したものの、マイナス基調は続いている。今月15日に公表された経済指標でも、7月の小売売上高や鉱工業生産、1〜7月の固定資産投資などが予想以上に前回から伸びが縮小。1〜7月の不動産開発投資は12.0%減と、下げが加速した(1〜6月は11.2%減)。ただ、当局は景気押し上げに向け、経済対策を強めるとの期待は根強い。当局はこのところ、不動産支援や消費刺激、過当競争是正など景気対策を相次ぎ打ち出している。
一方、香港上場する主要企業の決算は週内に出揃う。きょう28日は馬鞍山鋼鉄(323/HK)や江西銅業(358/HK)、中信証券(6030/HK)、網龍網絡HD(777/HK)、北京HD(392/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、携程集団(9961/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国南方航空(1055/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、第一トラクター(38/HK)、理想汽車(2015/HK)、創維集団(751/HK)、中国建材(3323/HK)、大唐国際発電(991/HK)、東方電気(1072/HK)、華虹半導体(1347/HK)、澳門博彩HD(880/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、中升集団HD(881/HK)、中興通訊(763/HK)などが報告する予定だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。エヌビディア株の下落が投資家心理を圧迫しよう。また、証券会社などが相場の過熱感を抑える動きに出ていることも、冷や水となる恐れがある。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。