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2025/08/26 08:49

上値の重い展開か、米株安が逆風 無料記事

◆26日の香港マーケットは、米株安を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。米金利やインフレの動向が気がかりだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は22日に9月利下げを示唆したものの、25日の米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りが再び上昇している(債券価格は反落)。インフレ懸念が依然としてくすぶる中、今後の物価や雇用の指標を見極めたいとするスタンスも強まる状況だ。米国では今週29日、7月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表される。
 25日の米株市場は、主要指標のNYダウが前週末日比0.8%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%安とそろって反落。NYダウは先週、およそ8カ月半ぶりに史上最高値を更新したとあって、いったん利益を確定する動きが優勢となった。米物価指標のほか、27日に発表されるエヌビディアの決算も気がかり材料として意識されている。
 中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.1%高と4日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、網易(ネットイース:NTES/NASDAQ、9999/HK)が2.8%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が2.1%高、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が1.5%高と上げが目立った。
 内部環境は安定的。中国当局はこのところ、不動産支援や消費刺激、「内巻」(過当競争)是正など景気対策を相次ぎ打ち出している。また、マーケットの活況もプラスだ。上海、深セン両証券取引所の売買代金は25日、合計で3兆1000億人民元(約64兆770億円)に達し、過去2番目の高水準となっている。市場関係者からは、銀行などから証券市場に資金がシフトしているとの声も聞かれた。
 一方、香港上場する主要企業の決算報告は今週、終盤に入る。きょう26日は中国平安保険(2318/HK)や紫金鉱業集団(2899/HK)、鞍鋼(347/HK)、青島ビール(168/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、北京汽車(1958/HK)、華潤置地(1109/HK)、中国石油天然気(857/HK)、27日は申洲国際集団HD(2313/HK)や安踏体育用品(2020/HK)、中国蒙牛乳業(2319/HK)、中国海外発展(688/HK)、新奥能源HD(2688/HK)、碧桂園服務HD(6098/HK)、中国アルミ(2600/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、中国海洋石油(883/HK)、美団(3690/HK)、広州富力地産(2777/HK)などだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。指数はこのところの上昇ピッチが早く、高値警戒感も意識される状況だ(25日はハンセン指数が3年10カ月ぶりの高値、上海総合指数が10年ぶりの高値)。昨夜の米株安をきっかけに、利益確定売りが先行する可能性もあろう。ただ、業績動向に着目した物色は続きそうだ。


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