2025/03/10 08:44
上値の重い展開か、中国のデフレを警戒 
◆週明け10日の香港マーケットは、中国のデフレを警戒し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。米景気の先行き楽観が強まっている。7日朝方公表された2月の米雇用統計は予想を下回ったものの、その後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長会見では、「政策上の不透明感はあるが、米経済は堅調な成長ペースを保っている」との見解が示された。
7日の米株市場は、売り先行後に買われる展開。主要指標のNYダウが前日比0.5%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%高とそろって反発した。個別では、半導体大手のブロードコムが8.6%高。2〜4月期の売上高見通しが予想を上回った。AI(人工知能)需要の拡大も期待されている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.2%上昇し、他の主要指数をアウトパフォームした。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.5%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が8.2%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が6.2%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が5.4%高と上げが目立っている。
米債券市場では、米10年債利回りが上昇(債券は下落)。パウエルFRB議長の利上げは急がないとのスタンスが債券売りを促した。
商品相場は、WTI原油先物が1.0%高と続伸する一方、金先物は0.4%安と5日ぶりに反落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品の大半が下落した。
一方、内部環境はややネガティブ。中国のデフレが懸念される状況だ。9日に公表された2月の物価統計では、消費者物価指数(CPI)が前年同月比でマイナス0.7%となり、昨年1月以来のマイナスに転じている。生産者物価指数(PPI)はマイナス2.2%。下落率は前月実績(2.3%)を下回ったが、市場予想(2.1%)以上だった。一部のアナリストは、内需は依然として弱く、中国のデフレ圧力はこれからも続くとの見方を示している。5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の冒頭で読み上げられた政府活動報告では、CPIの抑制目標が2%前後に設定された(前年は3%前後)。全人代はあす11日に閉幕する。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米ハイテク株高や中国経済対策の期待感は支えだが、中国のデフレが投資家心理を冷やしそうだ。また、米中の貿易戦争がエスカレートするとの不安がくすぶっていることもマイナス材料となる。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定的。米景気の先行き楽観が強まっている。7日朝方公表された2月の米雇用統計は予想を下回ったものの、その後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長会見では、「政策上の不透明感はあるが、米経済は堅調な成長ペースを保っている」との見解が示された。
7日の米株市場は、売り先行後に買われる展開。主要指標のNYダウが前日比0.5%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%高とそろって反発した。個別では、半導体大手のブロードコムが8.6%高。2〜4月期の売上高見通しが予想を上回った。AI(人工知能)需要の拡大も期待されている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.2%上昇し、他の主要指数をアウトパフォームした。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.5%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が8.2%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が6.2%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が5.4%高と上げが目立っている。
米債券市場では、米10年債利回りが上昇(債券は下落)。パウエルFRB議長の利上げは急がないとのスタンスが債券売りを促した。
商品相場は、WTI原油先物が1.0%高と続伸する一方、金先物は0.4%安と5日ぶりに反落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品の大半が下落した。
一方、内部環境はややネガティブ。中国のデフレが懸念される状況だ。9日に公表された2月の物価統計では、消費者物価指数(CPI)が前年同月比でマイナス0.7%となり、昨年1月以来のマイナスに転じている。生産者物価指数(PPI)はマイナス2.2%。下落率は前月実績(2.3%)を下回ったが、市場予想(2.1%)以上だった。一部のアナリストは、内需は依然として弱く、中国のデフレ圧力はこれからも続くとの見方を示している。5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の冒頭で読み上げられた政府活動報告では、CPIの抑制目標が2%前後に設定された(前年は3%前後)。全人代はあす11日に閉幕する。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米ハイテク株高や中国経済対策の期待感は支えだが、中国のデフレが投資家心理を冷やしそうだ。また、米中の貿易戦争がエスカレートするとの不安がくすぶっていることもマイナス材料となる。
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