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2025/08/11 09:09

しっかりか、外部環境の改善期待が支えに 無料記事

◆週明け11日の香港マーケットは、外部環境の改善期待でしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややポジティブ。米連邦準備理事会(FRB)が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利下げを再開するとの見方が一段と広がっている。ボウマンFRB副議長は9日、年内に3回の利下げを実施するべきだとの見解を示した。それより先、トランプ米大統領は7日、8日付で退任するクーグラーFRB理事の後任に、ハト派(緩和的)のミラン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を選んだことを明らかにしている。東欧地域の地政学リスクもやや後退。報道によると、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、米国とロシアは15日、米国のアラスカ州で首脳会談を開催する見通し。バンス米副大統領は10日、米ロ・ウクライナの3カ国首脳会談を調整する段階に入ったと述べた。米側は、米ロ首脳会談にウクライナのゼレンスキー大統領を招待することを検討中とも伝わっている。
 7日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.5%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.0%高と3日続伸した。ナスダック指数は2日続けて史上最高値を更新している。米利下げ観測の高まりや、ウクライナ停戦の期待が相場を支えた。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.3%安と3日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が4.4%安、網易(ネットイース:NTES/NASDAQ、9999/HK)が1.8%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が1.0%安と下げが目立った。
 一方、内部環境には気がかり材料がある。今週は15日に7月の小売売上高や鉱工業生産、1〜7月の固定資産投資、7月の金融統計も週内に報告される予定だ。先週末9日に発表された7月の物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)が前年同月比で横ばい(予想はマイナス0.1%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス3.6%(予想はマイナス3.3%)という結果。デフレ緩和の兆しはあるものの、依然として不透明感がくすぶる状況だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米利下げ期待や中東地域の地政学リスク後退など、外部環境の改善期待が支えとなりそうだ。ただ、週末の中国指標を見極めたいとするスタンスが高まれば、買い手控え要因として意識されよう。


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