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2025/09/25 08:59

上値の重い展開か、米株安が逆風 無料記事

◆25日の香港マーケットは、米株安を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。米金融政策が不透明だ。米シカゴ連銀のグールズビー総裁は23日、インフレが高止まりしているとして、積極的な利下げは避けるべきだと発言。それより先、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は物価は高い水準にあるとして、追加利下げには消極的な姿勢を示した。そのほか、米クリーブランド地区連銀のハマック総裁も今後の利下げは慎重に判断するべきだと発言している。24日の米債券市場では、金融当局者のタカ派(引き締めに積極的)寄りなスタンスが改めて意識され、長期金利の指標となる10年債利回りが上昇に転じた(債券価格は反落)。
 24日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.4%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.3%安と続落。ほか、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が0.3%安と続落している。米金融政策に対する不透明感がくすぶる中、25日に公表される新規失業保険申請件数(週間)や26日に発表される8月の個人消費支出(PCE)価格指数を見極めたいとするムードが相場を重くした。また、主要3指数は週初めまで、連日で史上最高値を更新していたこともあり、売り圧力も続いている。
 半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.8%高と5日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が8.2%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が8.1%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が5.9%高と上げが目立った。
 内部環境はそれほど悪くない。中国の金融緩和に対する期待感は後退したが、当局はこのところ、人工知能(AI)技術を軸とした産業支援、「AI+」政策に注力しているほか、産業支援や「内巻」(過当競争)是正、消費刺激などの経済対策を強めている。そのほか、米中関係の改善期待が高まっていることもプラスだ。
 一方、猛烈な勢力の台風18号(ラガサ)に関しては、24日夜に中国南部の華南地域に上陸。広東省では200万人以上が避難し、経済活動も停滞している。ただ、台風の勢力は急速に弱まっているとも伝わった。
 なお中国では来週、国慶節・中秋節連休がスタートする。本土市場は1〜8日まで、香港市場は1日と7日が休場だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の経済対策や米中関係の改善期待などは引き続き買い材料として意識されそうだが、昨夜の米株安が逆風だ。また、中国の大型連休が接近していることも積極的な売買を手控えさせる一因となろう。


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